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不動産登記

自宅の底地が両親(義理の両親を含む)名義である場合の予防策等について


いつもお読みいただきありがとうございます。



ゴールデンウイークが始まりましたね。
僕は元々人が多い時期にはあまり動かない主義なので、いつもと変わりない幕開けです。
ただ、世間的には大変でしょうね。
やることがなく、フラストレーションをどこで発散するか...
ちなみに僕は縄跳びを注文しました。
マスクを付け、人気のないとこで運動しようかと思ってます。
ちょっと怪しく見えるかもしれませんが、この際、致し方ないかなと。



さて、今回は自宅の底地のお話しです。
例えば、自分の両親名義の、もしくは配偶者の両親名義の土地の上に新築を建てた場合の注意点等をお送りさせていただきます。




<目 次>




1.どういう問題が生じる恐れがあるのか

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建物とその底地の所有者が異なるー


ケースとしては、そんなに珍しいものではありません。
むしろよくある部類の話しでしょう。


実家の建替時に父名義の土地上に長男名義の建物を新築したり、妻の父名義の土地上に夫名義の建物を新築した等々...


おっ、うちも該当するじゃないか!と、言う方も多いのではないでしょうか?
ちなみに、そうした行動自体がまずいわけでも、問題あるわけでもありません。

あくまで一般的な事情でしょうし、土地の購入費がかかりませんので、経済的にはかなりお得と言えます。
その分、家にお金をかけられたりもしますしね。


仮に問題が生じるとすれば、そうした状況のまま何の対処もせずにいるからなのです。
行為そのものよりも、そのアフターケアに問題があるパターンですねいわゆる。




1-1.土地の名義人の相続発生時に注意

こうしたケースで特に面倒なのは、土地の名義人の相続発生時です。


想定されるトラブルも多岐に渡ります。
相続人間の不仲、行方不明、認知症問題等々...


その時点で名義を変えたくとも、変えれないような事態は簡単に起こり得ます。
ただでさえ揉めやすい、トラブルりやすい相続の手続―


建物と底地の名義の相違は、そうした負の可能性を引き上げてしまう側面があるのです。



例えば―



他の相続人にとってみれば、既に他者名義の家が建っている土地に大きな魅力はありません。
自由に使えませんし、簡単に売却できるわけでもないですから。


とは言え、対象となる不動産に経済的な価値が有るか無いかとういうと...



そうです。



お金の問題になり易いのです。
その土地はあげるから、代わりにその分のお金をよこせと...

他にそれに見合う相続財産があればいいでしょうが、それほどの遺産が別にあるケースは稀でしょう。
結果、家を新築したはいいが、相続がまとまらず結局売却する羽目になってしまうことも...



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あるいは、うちは兄弟姉妹の仲が良いから大丈夫だと思っているかもしれません。
確かに今はそうなのかもしれません。


ただし、問題が生じるとすれば、あくまでそれは未来の話しです。


仲が良くてもそれまでに経済状況が変わっているかもしれません。
もしくは、相続人になるべき者の一人が死亡し、甥姪が代わりに相続人になっていることもー


現在は大丈夫でも、未来も必ず大丈夫と言えるでしょうか??


その他、争いはなくとも、共同相続人の一人が行方不明になっていたり、認知症を患ってしまい意思能力がなくなってしまっているようなケースも大いに考えられます。
そうなってしまった場合、相続手続自体はできなくはないとしても、多大な手間と、それに応じた費用が発生してしまうことでしょう。


そして、これらは単なる一例に過ぎません。
そのままにせず何らかの対処をしておけばよかったと、後に悔いたところで、もはや手遅れなのです。





2.具体的な対応策について

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何事も100%こうしておけば大丈夫といった画期的な方法はありません。
残念ながら今回の事例についてもそれは同様です。


ただしー


適切な処置を講じているか否かでは、雲泥の差が生じることがあるのも確かなのです。

それでは、具体的にやっておくべき事前準備の幾つかをご紹介させていただきます。




2-1.生前贈与

自宅とその底地の所有者が異なる場合において、一番の特効薬と言えるのが生前贈与です。
これであれば、土地所有者が存命の内に問題の多くが解消できます。


なにせ他の相続人が関与する必要がなくなりますからー


ただ、一言で贈与と言っても、対象となるのは底地(不動産)です。
往々にしてその金銭的な価値は高く、贈与税等、生じうる諸経費には最新の注意が必要となるでしょう。


そこで、まず検討すべきは、相続時精算課税の適用の是非なのです。





2-2.相続時精算課税制度の適用

相続時精算課税度につきましては、過去に他のブログ記事にてご紹介しておりますので、まずはこちらを参照ください。



「子や孫名義に不動産を変更するには ~相続時精算課税制度~/司法書士九九法務事務所HP」
https://99help.info/blog/post_117/




相続時精算課税制度は、直系の相続人間における贈与において非常に有用な手続です。
ただ、惜しむべくは必ずしも万能ではない点です。

受贈者が子や孫でないと対象になりませんし、贈与額にも上限が定められています。
その他、暦年贈与が使えなくなってしまうという最大のデメリットもあるのです。


その他、これは相続時精算課税制度自体のデメリットではありませんが、生前贈与に伴う所有権移転の登記費用も高くなりがちです。
相続の場合の登録免許税が「土地評価額の0.4%」であるところ、贈与の場合は「土地評価額の2%」となり、その差、実に5倍です。


例えば、土地評価額が1,000万円だったとすると、最低でも金20万円の登録免許税(実費)が発生してしまうわけです。


この辺につきましては、事案によっても大きく異なってきますので、ここで一概にどうこう言えるわけではありません。
まずは生前贈与を解決策の一つとして捉えていただければと思っております。






2-3.公正証書遺言の作成

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やはりここでも有用なのが"遺言書"です。


本当に万能ですし優秀です遺言書は。
確かに生前贈与と比べると絶対性には欠けるかもしれませんが、有る無いとでは雲泥の差と言えるでしょう。


ただし、もちろんどのような内容でもいいわけではありません。


当然、状況に即した内容にすべきですし、できれば遺留分を配慮した内容にできればなお良しと言ったところでしょうか―

ともあれ、付言事項をうまく活用し、揉めにくい遺言書を作成するよう留意しましょう。





2-4.生前贈与と公正証書遺言の合わせ技も

もちろん両方の手続を行うことも可能です。
何も財産は対象となっている底地だけではないでしょうからね。


生前贈与をしつつ、預金や他の不動産等で遺留分の調整をするのもいいでしょうし、仮にそれを行うほどの財産が他になかったとしても、なぜ生前贈与をしたのかという真意を遺言書に記していおくのもいいかもしれません。


たったそれだけでも結果はだいぶ違ってきますから。


相続トラブルは、各相続人の勝手な解釈から生まれる部分も少なからずあります。
その予防にもなりますし、底地以外の遺産でも揉めずに済むかもしれません。


少し専門的な話になってしまいますが、生前贈与であれ、遺言であれ、各相続人の"遺留分"を排除できるわけではありません。
他の遺産価値によっては、そうしたトラブルに巻き込まれてしまう可能性は捨てきれないのです。

ただ、考えようによっては、最悪でも遺留分を請求されるだけで済むのです。



遺留分は、法定相続分の2分の1の権利です。



適した手続を取っていれば、生前贈与や遺言書を作成する手間や費用は十二分に回収できることでしょう。





3.まとめ

今回は自宅の底地問題のお話しでした。


制度等の説明ではなく、対処方法や考え方の問題なので、正直、あまりブログとしては向いていないテーマでしたね。
そのため、だいぶふわっとした内容になってしまった感が...


あくまで一律の対応には向かず、ハンドメイドな対応が求められる業務内容ですので、その点はご了承ください。


ただ、司法書士九九法務事務所はどちらかと言うと、このような案件を得意にしています。
似たような問題でお困りの方がいらっしゃいましたら一度ご相談いただければと。


いつでも相談は無料で対応させていただいております。

write by 司法書士尾形壮一