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相続や後見手続に活かせる?~生命保険契約照会制度~


いつもお読みいただきありがとうございます。


さて、今回は少し前に始まった、とある制度についてのご照会です。
その存在を知って以降(昨年末頃)、ずっとブログで書きたいと思っていたのですが、日々の業務に追われいつの間にかこんな時期に・・・

ともあれ、私的には、実際に利用するかどうかは別としても、存在くらいは把握しておいて絶対に損のない制度だと思っています。
むしろ、なぜこれまでなかったのでしょうね?

では、具体的にどのような制度なのか?
本編にてご照会致します。



<目 次>

1.生命保険契約の一括照会が可能に

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生命保険に加入されている方は多いと思います。
こんなご時世ですし、現在、加入していなくとも、将来的に加入を考えている方も多くいることでしょう。

ちょっと気になったので、「生命保険に加入している人はどれぐらい?」なのかを調べてみると、以下のようなデータを見付けました。
以下、引用させてもらったサイトの一部となります。


生命保険文化センターの令和元年度「生活保障に関する調査」によると、生命保険に加入している人は、男性では81.1%、女性では82.9%となっています。前回(平成28年度)の調査より男性は0.5ポイント、女性は1.6ポイント増加しています。 また、性・年齢別に生命保険加入率をみると、男女とも40歳代で最も高くなっています。

※公益財団法人生命保険文化センターHPより出典

少し前のデータにはなりますが、十分参考にはなるでしょう。

どうでしょう?
私的には、びっくりしました。
想像以上の加入割合ですよね。
せいぜい5割ぐらいかと思ってました。

これほどまでに世間に浸透している生命保険。
もはや、大流行と言ってもいいでしょう。


ただ、少しだけ視点を変えてみてください。


自身名義なら、あるいは配偶者名義ならまだしも、他の家族が加入している生命保険を把握していますか?
例えば、両親や兄弟姉妹が加入しているものは?
特段の事情でもない限り、詳細の全てを把握できている方は少ないと思われます。


結果、家族が亡くなってしまったり、あるいは認知症を患ってしまったときなどに、誰がどの会社の生命保険の加入しているか分からないといったような事態が発生しかねないわけです。
せっかく加入していたのに、保険金が請求できないなんてもはや悲劇ですよね。


この生命保険契約紹介制度は、そのような場合に対象となる人物がどの保険会社の生命保険に加入しているか否かを一括照会できる便利な制度なのです。



1-1.どういう仕組みなのか?

まず、この生命保険契約照会制度の運用元は、「一般社団法人生命保険協会」という団体です。
どういう団体かというと―

一般社団法人生命保険協会は、生命保険業の健全な発達および信頼性の維持を図ることを目的として、1908年12月に発足した一般社団法人とのことです。
尚、この団体には日本国内で営業する生命保険会社のすべてが加盟しています。

生命保険会社が加盟する業界団体ですねいわゆる。


いわゆる、この団体を介し、そこに加入している各生命保険会社に一括して照会をかける仕組みなのです。


ちなみに、以下が対象となる保険会社の一覧です(ちょっと多めです。)。
私的にも少し興味があったので調べてみました。
42社もあるんですね。。。

  • アクサ生命保険株式会社
  • アクサダイレクト生命保険株式会社
  • 朝日生命保険相互会社
  • アフラック生命保険株式会社
  • イオン・アリアンツ生命保険株式会社
  • SBI生命保険株式会社
  • エヌエヌ生命保険株式会社
  • FWD生命保険株式会社
  • オリックス生命保険株式会社
  • カーディフ生命保険株式会社
  • 株式会社かんぽ生命保険
  • クレディ・アグリコル生命保険株式会社
  • ジブラルタ生命保険株式会社
  • 住友生命保険相互会社
  • ソニー生命保険株式会社
  • SOMPOひまわり生命保険株式会社
  • 第一生命保険株式会社
  • 第一フロンティア生命保険株式会社
  • 大樹生命保険株式会社(旧三井生命保険株式会社)
  • 大同生命保険株式会社
  • 太陽生命保険株式会社
  • チューリッヒ生命保険株式会社
  • T&Dフィナンシャル生命保険株式会社
  • 東京海上日動あんしん生命保険株式会社
  • なないろ生命保険株式会社
  • ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社
  • 日本生命保険相互会社
  • ネオファースト生命保険株式会社
  • はなさく生命保険株式会社
  • 富国生命保険相互会社
  • フコクしんらい生命保険株式会社
  • プルデンシャル生命保険株式会社
  • PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社)
  • マニュライフ生命保険株式会社
  • 三井住友海上あいおい生命保険株式会社
  • 三井住友海上プライマリー生命保険株式会社
  • みどり生命保険株式会社
  • 明治安田生命保険相互会社
  • メットライフ生命保険株式会社
  • メディケア生命保険株式会社
  • ライフネット生命保険株式会社
  • 楽天生命保険株式会社





1-2.誰でも利用可能なのか?

注意点の一つです。
結論からすると、誰でも請求できるわけではありません。


まあ、普通に考えればそうですよね。
結構な個人情報ですし。
ケースとしては以下のとおり限定されています。

  1. 照会対象者の法定相続人(民法上の相続人ですね。)
  2. 照会対象者の法定相続人の法定代理人(親権者や成年後見人等)または任意代理人(※)(
  3. 照会対象者の遺言執行人(遺言執行者)
    (※)任意代理人の範囲は、弁護士や司法書士その他照会対象者の財産管理を適切に行うために照会対象者にかかる生命保険契約の有無を照会するにふさわしいと一般社団法人生命保険協会が認めた者とされています。




1-3.いつでも利用可能なのか?

上記同様、いつでもというわけにはいきません。
利用できるケースは限られています。

生命保険契約照会制度は、保険契約者または被保険者が次のような状態になったときにはじめて利用可能な制度なのです。

  • 死亡したとき(平時において)
    ※照会対象者が病気や事故などで亡くなり、生命保険契約の有無が不明な場合です。

  • 認知判断能力が低下したとき
    ※認知症等によって照会対象者の認知判断能力が低下し、生命保険契約の有無が不明な場合も、法定代理人や任意代理人、3親等内の親族などが保険加入状況を照会可能となります。

  • 災害で死亡または行方不明となったとき


尚、平時の場合の照会の費用については、1件3,000円で郵送またはweb申請にて受付、災害時の場合は費用無料で、申請は電話で行うことができるそうです。


1-4.調査の対象となる生命保険契約の範囲は?

調査対象は、生命保険協会が照会を受付けた時点で有効に継続している個人保険契約が基本となります。
ただし、どうやらすべての生命保険が対象というわけでもないようです。

どうも、財形保険契約及び財形年金保険契約、支払いが開始した年金保険契約、保険金等が据え置きとなっている保険契約は対象から除かれるようなので、この点はご注意ください。



1-5.結局のところ何が分かるのか?

生命保険加入の有無と契約先の保険会社が分かります。
残念ながら詳しい保険の種類などは別の手続になるので、直接対象となる保険会社に問い合わせる他ありません。

ただ、もともと生命保険の有無についての照会制度ですので、私的にはそれで十分かと思いますが...



2.まとめ

さて、今回は生命保険契約紹介制度についてのお話しでした。
日頃から相続手続や後見手続に触れる機会の多い僕にとっては、本当に便利な制度です。
是非、より使い易く進化していって欲しいものです。

一般の方にとっては、そこまで使用頻度の高い手続ではないかもしれませんが、独居のまま亡くなったり、一緒に住んでいても認知症を患ったりして、家族も生命保険契約の存在を把握していないケースはそこまで珍しいものではないはずです。
であれば、自身には生じなくとも、身の回りの方等々、活用機会は生じ得るはずです。


そして、僕か渇望するのが、この制度の金融機関版です。
金融機関についてもこんな感じで一括調査できるようになったら、どんなに楽なことか・・・
より手続を厳格にしてくれてもいいので、何とかならないものでしょうかね?

保険会社ができるんだから、銀行もできるでしょ?と勝手ながら思ってしまいます。
まあ、無理なんでしょうけどね・・・

それでは今回はこの辺で。

write by 司法書士尾形壮一