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或る終活の話(任意後見、死後事務委任契約等)~前編~

さて、今回は『終活』のお話です。

皆さんが想像する『終活』とは少し異なるかもしれませんが、専門業者ではなく法律の専門家である司法書士の行う『終活』とは?

特に身寄りががない方、子供がいない方、子供がいても疎遠な方などには有用な情報が多くあるかと思われます。

物語形式でお送りしますので、ご自身が置かれている状況に当てはめてみてはいかがでしょうか?

それでは本編の始まりです。


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これまでの人生と今後の人生

これといって現状の生活に不満はない。

預金は潤沢というわけではないが、高望みをしなければ今後の生活に困るようなことにはならないだろう。
それなりの額でしかないが、年金ももらっているし、夫から相続したアパートの家賃収入もある。


このご時世からすれば恵まれている部類なのだろう。


とは言え、心配事がないわけではない。
むしろ歳をとる毎に大きくなっているような気さえもする。


いったい私はどんな最後を迎えるのだろうか―


理想を言えば、誰にも迷惑をかけたくない。
仮にかかるとしても、どうにかそれを最小限に抑えたいものだ。

夫と死別して約2年、私もそろそろ本気で考える時期が来たようだ。


来るべき時への備え

私達夫婦には子供ができなかった。
今更それをどうこう言うつもりはない。

子がいなくとも十分に幸せな人生だったように思う。

ただし、今後はだからこそ考えるべきことが多い。

自分の相続のこともそうだし、財産の処分や、施設入所、葬儀やお墓のことも考えておかなければならないだろう。


例えば明日、私が死んだ場合、それらはどうなるのだろうか?
誰が何をやってくれるのだろう?
その時、私の意向を組んでくれる人がいるのだろうか?

悩みは尽きない―

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私はこうして『終活』に興味を持ったのである―

調べてみると、世の中、思っていたよりも多くの終活サービスに溢れていた。
特に葬儀関係のものが充実しているような印象を受ける。

やはり私等ぐらいの年齢になると皆、考えることは同じなのだろう。
ただし、私の場合はそれだけにおさまるものではない―

葬儀も確かに大事だ。
興味もあるし、心配な点の一つであることに違いはない。
とは言え、これといった身寄りがない私は、生前の段階で既に多くの潜在的問題を抱えているのだ。

なにぶん老人ホーム等の施設に入所しようにも、身元保証人(身元引受人)の問題で頓挫してしまいそうな状況にあるわけだから―

兄弟はいるにはいるがここのところ疎遠であり、何より私以上に年上だ。
私が入所の必要に迫られる時点では、おそらく彼等も似たような状況だろう。

と、なると次に考えられるのは、姪や甥だろう。
ただし、私が彼等に会ったのは子供の時分が最後だ。
それ以降、特に付き合いもない。

今更都合よく頼れるものではない―

以上のようなことから、私のケースは少なくとも自分で葬儀を決めて、遺言書を書いておけば安心といった部類には当たらないだろう。

今、私に必要なことは『準備』だ。
それも実際に起こり得る事態に備えた具体的な『準備』だ。

漠然とだが強くそう思う。


問題点、主要課題の洗い出し

決して誇れたものではないだろうが、他人様より日々の時間に余裕のある私は色々勉強することにした。
それはある意味、自分の不安を解消するための作業であったため、とても有意義な時間だった。

ともあれ、自分が何をどうしたい?どうなりたい?かをまとめることにした。
結果、重要視すべき主要課題が5つ浮かび上がってきた―

  1. 老人ホーム等の施設入所時の身元保証人(身元引受人)の問題
  2. 自宅とアパートの管理及び売却の問題
  3. 認知症の問題
  4. 死亡時の遺体引き取りの問題
  5. 葬儀の問題


まず1について―

すべてがすべてではないようだが、老人ホーム等の施設入居の際に身元保証人(身元引受人)を要求されるケースが多いようだ。
信憑性の有無は別にしても、8割近くの施設が身元保証人(身元引受人)を要求するようなデータがあった。

私にとっては由々しき事態である。
尚、中には成年後見人や任意後見人がいれば身元保証人は不要というところもあった。
他に有料にはなってしまうが、身元保証会社なるものも存在すると言う。

巷で話題の「身元引受サービス」というやつだ。
ただし、なにぶん数も多いし、見た感じ金額もかなりのものになってしまう。
加えて過去の事例などを調べてみると、トラブルがないわけでもなさそうだ。
そのすべてを真に受けているわけではないが、色々な失敗談も見て取れる。
安易に決めるのはよしておこう―

続いて2について―

アパートについては、家賃収入があるため、すぐに手放したくないというのが理想だ。
しかし、私が老人ホーム等に入所した場合は管理の問題が生じてしまう。
今も賃貸管理会社にお願いしているが、契約ごとなので更新等の問題もあるだろう。
また、できれば死ぬまでには処分しておきたいという気持ちもある。
不動産の相続は揉めやすいと聞くためだ。

自宅については、なるべく長くそこで暮らしていたいは思う。
なにより思い入れの多い場所だからだ。

ただし、生活に支障が出てしまう前には老人ホーム等への入所を予定しているため、その際はアパート同様処分の問題が生じてしまう。
私はいつになるのかも分からないのに、管理者もいないまま死ぬまでずっと空き家のままにはしておけばいいと思うような常識のない大人ではない。

3について―

あまり考えたくはないことだが、生き物である限りはある程度の覚悟も必要だろう。
認知症は誰でも起こり得る問題だ。

仮に私がそうなった場合、いったいどうなってしまうのだろう?
不動産を処分できなくなるばかりか、自身の意向もうまく伝えられなくなってしまう。
とは言え、今できることにも限界があるように思える―
成年後見制度には興味があるが、今の時点でどうこうする問題なのだろうか?

4について―

地味に気になるところだ。
いくら事前に葬儀の準備を進めていたとしても、遺体の引き取りと葬儀会社への連絡は誰が行うのだろうか?
見た感じ葬儀会社のサービスには含まれていないように思える。

一般的には当然家族が行うであろうが、私の場合だと―
施設又は病院から死亡連絡を受け、葬儀会社に手続を依頼するような人物の必要性を感じる。
いわゆる緊急連絡先になってくれるような誰かを―

最後に5について―

既に今の時点で気になる葬儀サービスが幾つか存在する。
ただし、今後もっと良いサービスが出てくるのではないだろうか?
これほどの盛り上がりを見せているのだから。

で、あれば現時点で契約しておくのはどこか勿体無い気がする。
欲張り過ぎはよくないだろうが、あまり妥協したくはない部分でもある。161525b.jpg
正直なところ、このように主要課題を見出すことはできたが、その解決策までは至っていない。
これらすべてをうまく解決できる手続やサービスはないものだろうか?

引き続き色々調べてみようと思う―

発想の転換

おそらく今私が行っていることを『終活』と呼ぶのだろう。
これまで『終活』は終活サービス業者が行うものと信じて疑わなかった。

ただし、本当にそれだけなのだろうか?

終活サービス業者が良い悪いという問題ではない。
葬儀なら葬儀、身元引受なら身元引受といった専門性は感じるが、本来私のような俗に言う『お独り様』にはもっと根本的な部分が足りないように感じる。

家族の代わりというか、もっとこう幅広く対応できるような人物というか、サービスというか―

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そうした観点を持って再度、自身の重要課題と向き合ってみた。

結果、企業ではなく仕業に辿り着いたわけである―

なにも『終活』は専門業者だけが行うものではないらしい。
あまり知られていないようだが、司法書士などの仕業もそれらの手続を行うことができるらしい。

むしろ専門業者のサービスも取り入れ、より複合的な展開が望めるように思える。
問題は需要に応じてそれをどう組み合わせるかだろう。


法律の専門家が行う『終活』とでも呼ぶべきだろうか?
私はそれに強い興味を持つようになっていた。

⇒「或る終活の話~後編~/司法書士九九法務事務所HP」
https://99help.info/blog/post_45/