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物語リボ払いの危険性と借金が減らない理由(物語形式) ~リボで破産しないように~
いつもお読みいただきありがとうございます。
あと数カ月で平成が終わりますね。
いったい次はどのような名称の"年号"になるのでしょうか?
ちなみに現在の年号は2019年4月30日迄ですので、5月からは新年号となります。
意外とそれを楽しみにしている自分がいます。
(きっとエイプリルフールとあわせて無駄に盛り上がることでしょう!)
さて、ではそろそろ本題へ―
新年一発目のブログは、久しぶりの"物語形式"でお送りさせていただきます。
相応に好評な物語形式の記事なのですが、なにぶん通常記事よりも手間が多くて...
時間も同じ容量のブログと比べると倍近くかかってしまいます。
とは言え、今年はサボらずちょこちょこUPしていく予定ですので、よろしく付き合いの程、願い申し上げます。
※当記事においてモデルなった人物や事件は存在しません。あくまでフィクションです。筆者の妄想(?)から産まれた『人物兼出来事』とご理解いただき、物語を読み進めていただければと思っております。
<目 次>
- 1.クレジットカードが欠かせない世の中において
1-1.クレジットカードの利便性と恐ろしさ - 2.なぜクレジット会社は頻繁にリボ払いを勧めてくるのか?
2-1.リボ払いの金利は幾らぐらい?
2-2.リボ払いの金利は年利
2-3.リボ払いの継続的利用こそが本当の恐怖 - 3.リボ払いが支払えずに自己破産
3-1.債務整理手続を司法書士に依頼 - 4.まとめ
1.クレジットカードが欠かせない世の中において
それまでクレジットカードを利用する機会はそう多くなかった。
とは言え、別に無駄に恰好つけて"現金主義"を気取っていたと言うわけではない。
クレジットカード自体は所持していたし、全く使わなかったわけでもなかったのだが、どこかそれに対する"恐怖心"のようなものがあったのだ。
ただ、その感情も徐々に変化していった...
なにせ、今の世の中、クレジットカードを全く使わなでいるのは至極困難な状況だったからだ。
すぐに思いつく限りでも―
・Amazonに代表するネット販売サイトでのショッピング
・高速道路でのETC利用
・インターネットでの航空券、宿泊予約
・プロバイダーの利用料の支払い
その人のライフスタイルによっては、もっと他にもあるのだろう。
少なくとも自分に当てはまるものはこんな感じだった。
どれもクレジットカードを持っていないとその利用すらできはしない。
結果、カード利用はこれらの支払い等、必要最低限にとどめてはいたものの、そのうちに自分の中にあったクレジットカードへの恐怖心は、徐々に、そして確実に薄らいでいってしまったのである(利用し慣れ、恐怖心よりも利便性の方が上回った結果なのだろう。)。
1-1.クレジットカードの利便性と恐ろしさ
クレジットカードは本当に便利だ。
今となっては、世間に浸透し手放せなくなっている人が多い理由も頷ける。
日常的にクレジットカードを使用するようになってからは、本当にそう思っていた―
今や多くの場所での利用が可能であるため、現金を余分に持ち歩く必要がない。
小銭が減るというのも個人的には大きなメリットになっていた。
反面、怖い部分もある。
ついつい使い過ぎてしまうのだ。
ちゃんと自分で利用分を管理できていればいいだろうが、売り上げが即反映しないことが多いため、想定していたよりも多くの請求をクレジット会社から受けることが間々ある。
その度に不正利用を疑い、取引明細をチェックするのだが、すべて心当たりのあるものばかり―
クレジットカードの利用は、飲み屋等で言う所の"ツケ"的な要素がとかく強いため、本来、ずさんな性格の人間には相容れないものなのかもしれない。
そして、最大の恐怖と言うか、落とし穴になり得るのは、なんと言っても"リボ払い"だろう。
正直な話、自分がリボ払いを利用することになるなんて思いもしなかった。
と、言うか、それ自体どういうものなのかすらよく分かっていなかった...
にもかかわらずなぜ利用することになったのか??
なんてことはない...
単純にクレジットカードを使い過ぎてしまったのである。
完全に自業自得だったが、たまたまな部分もあった。
必要な(もしくは必要と思われる)出費が重なってしまい、その支払いが苦しくなってしまったわけだ。
ちなみに初めて利用した分のリボ払いについては早急に完済に至った。
特に支払いが苦しかった憶えもない。
もちろん、それ自体は良かったのだが、そこでリボ払いについても無駄に利便性を憶えてしまい、その後も深く考えることなく度々利用してしまったわけである。
結果ー
リボ払いの利用金額が大きくなってからは本当に、本当に驚くほど苦しかった。
自身の手痛すぎる経験から後悔と反省を多分に含め、その辺の注意点と詳細を語らせてもらえればと思う。
2.なぜクレジット会社は頻繁にリボ払いを勧めてくるのか?
よからぬ誤解を生まないように―
クレジット会社やリボ払い自体が悪いのでは決してない。
法を犯しているわけではないし、虚偽があるわけでもない。
至極真っ当な商品でありサービスだ。
あくまで悪いのはそれをうまく利用できかった自分自身だ。
それは、まごうことなき事実だろう。
その上で―
クレジットカードやリボ払いを使用するのであれば、利便性というメリット以外にどんなデメリットがあるのかしっかり把握しておくべきと言える。
でないと自分のような失敗をしてしまう人が多く生まれてしまうだろうから...
2-1.リボ払いの金利は幾らぐらい?
正直言って、自分はそれについてほとんど把握していなかった。
もちろん存在そのものを知らなかったわけではないし、当然、金利がかかるであろうことは分かっていた。
実際の利用分以上の支払いになることも覚悟の上だったわけである。
とは言えー
- それが具体的に幾らぐらいの総支払額になるのか?
- 金利自体は幾らなのか?
そう言った、本来であれば最も重要であろう部分がすっかり抜け落ちてしまっていたのである。
尚、利用しているクレジット―カードや時期、サービス等によっても違いはあるだろう。
そのため、例えば一概に"金利は幾ら!"と、言うものではないのも確かだ。
ただし、後になって調べてみた結果、どの会社もだいたい15%前後の金利であることが多かった。
把握し得る限り、安くても12%と言ったところだろう―
これをどう思うか(高いか安いか)は人それぞれだろうが、金利15%と言えば、利息制限法における利息の上限(※)と同等の数値である。
※但し、元金100万円以上
ようするに、現行のサラ金業者と大差ない利息がリボ払いにはかかっているということになる。
イメージの問題からなのか、サラ金よりリボ払いの方が随分金利が安いと信じ込んでしまっていたが、実のところはそうでもないらしいことが分かった。
- リボ払いとサラ金の金利はそう変わらない
(むしろサラ金よりもリボ払いの方が高いケースもある)
厳密に言うとかなり意味が違うのだろうが、自分も最初からサラ金から借り入れる覚悟でリボ払いを使用できれていれば...と、今となっては後悔している。
2-2.リボ払いの金利は年利
リボ払いの金利は15%と言われても、いまいち実感が湧かない―
きっと、そういう人も多いだろう。
ちなみに、リボ払いの金利は"年利"になるのだそうだ。
年利とは、"年利率"の略であり、1年を単位に幾らと定めた利率・利息のことを指すらしい。
余談だが、1カ月を単位にしたものを"月利"、1日を単位にしたもの"日歩"と言うみたいだ。
さて、そろそろ本題に入るが、金利が年利である言うことは、分割回数が少なければ少ない程、金利負担も少なくなるらしい。
ようは早く返せば支払額もその分少なくて済むわけだ。
イメージできるだろうか?
少なくとも自分には無理だったので、もう少しだけそこについて検証してみようかと思う。
ただし、難しい計算式や数字を見るとげんなりする人も多いだろうから、今回はちょっとだけ楽をしてみることにする。
今の世の中、本当に便利なものだ。
面倒な年利計算すら数クリックである―
Google等で検索すると支払手数料が分かるサイトが幾つもあり、今回はとりあえずランダムに上位に表示されたサイトを利用してみた(「リボ払い 返済シミュレーション」等で検索してみるといいかもしれない。)。
結果は以下のとおりとなった。
- 10万円の商品を毎月5,000円のリボ払いで購入
※実質年利15%で計算。
その総支払額や手数料は―
- 支払い手数料は、15,782円、総支払額は115,782円
どうだろう?
そこそこの金利を取られていることがわかるだろう。
なんだ言ってもこんなものか―
仮にそう思うのであれば、これを毎月2,000円の支払額にして再計算してみることにしよう。
10万円の支払いを毎月2,000円にするのだから、あり得ない話ではない。
結果―
- 支払い手数料は、57,843円、総支払額は157,843円
驚きの数字ではないだろうか??
こんなにも変わるのである。
尚、上記はあくまで分かり易く説明するために、支払回数を極端に多くした結果(2,000円の場合だと79回)なので、通常はここまで高くはならないだろう(事実、同条件で月1万円の返済にするのであれば、手数料は1万円を切る額になる。)。
とは言えこれで、仮にリボを利用したならば、なるべく早く完済すべきだという十分過ぎる根拠にはなるのではないだろうか。
ここで自分の場合はどうだったかと言うと―
当初、月々の支払額も支払回数も至って普通だった。
少なくとも上記のように極端に長い支払いにはしていない。
にも関わらずその支払いに頓挫してしまったのである。
自分で言うのもなんだが、少なくとも怠慢だけがその原因ではない。
そこには高額な年利とは別のリボ払い恐怖が存在していたのだ。
2-3.リボ払いの継続的利用こそが本当の恐怖
リボ払いで極端に高価な商品等を購入することは少ないだろう。
もちろん人にもよるだろうが、だいたいが1回数千円であったり、数万円であったりすることの方が多いのではないだろうか?
そのため、金利は高くとも、支払回数にさえ注意すればダメージはそこまで大きくはならない―
意外と、そう思われがちである。
事実、それ自体に間違いがあるわけではない。
であればなぜ、自分のようにリボ払いで破綻してしまう人が多くなるのか?
端的に言うと、感覚が麻痺しがちであるからだ。
通常、リボ払いは分割払いとは異なり、支払回数を指定するのではなく、月々の支払い金額をあらかじめ決める方法となる。
その結果、利用金額や件数に関わらず、毎月の支払額はほぼ一定なので無理なく計画的にショッピングができる(ように思える。)。
よくあるリボ払いの売り文句だ。
確かにそのとおりだ。
単発のショッピングであればそれに近しい結果となるかもしれない。
ただし、仮にそれを継続的に行ってしまったら?
- 毎月の支払額は一緒でも継続利用すれば借入れの元金自体は増える
- 借入れの元金が増えた状態でも支払額が変わらないのであれば支払回数が増える
- 支払回数が増えると年利の負担が大きくなる
すごく単純な話だ。
これまでの話の流れを理解できていれば、理解するのも容易だろう。
ただし、自分のように予め一切理解できていない状態であれば、これになかなか気付くことができない。
ただ便利だな、で、終わってしまうわけである。
そして気付いた頃には毎月しっかり返済をしているのにも関わらず、借金は増え続けるという負のスパイラルに陥ってしまうというわけだ。
リボ払いをカード会社が頻繁に勧めてくるのは、第一にクレジットカードの使い過ぎに伴う支払い不能を防ぐ趣旨なのだろう。
ただし、もちろんそれだけではない。
リボ払いは、カード会社にとってかなり多くの利益をあげられる可能性が高い優良商品なのだ。
3.リボ払いが支払えずに自己破産
それでは最後に自分がいかにしてリボ払いに失敗し、どのような顛末を迎えてしまったのかについても触れておこう(上記とは違って、ためになる情報ではないと思うが。。。)。
リボ払いの負のスパイラルにはまってしまった最初の原因は引っ越しだった。
なんてことはない、当時交際していた女性と同棲することになり、家具や家電の多くを買い替えることになったわけだ。
もちろん新居契約費や引っ越し費用等は想定できていたのであるが(ただし、これで貯金はほぼなくなった。)、家具家電の買い替えについてはそうはいかなかった。
とは言え、愚かにも分かり易く見栄をはってしまい、なかなか自分にお金がないとは言い出せなかったわけである。
結果、総額にして30万円程をリボ払いにしてしまっただろうか―
尚、月の支払額は2万円であり、順調に行けば1年半ぐらいで完済する予定だった。
ただし、そうはならなかったのである―
生活習慣が変化したこともあってか、大丈夫だと思っていた月額2万円の支払いに苦戦、食費や日用品等の購入の多くにクレジットカードを継続利用してしまい、あまつさえその支払いをリボ払いにしてしまっていたのである。
たったそれだけだ...
これと言った贅沢をした覚えもない...
最初は1枚だったクレジットカードがそのうちに2枚になり、それが3枚に、4枚になっていった...
それに伴い毎月の返済額は増加していったのであるが(リボ払いといえども、支払先となるカード会社自体が増えたため)、その頃ともなると生活費のほぼすべてにクレジットカードを利用していたため、現金はなくとも一般的な生活を送ること自体は可能だった(それを一般的な生活と言っていいかどうかは分からないが。)。
そんな生活を長く続けていると―
当初30万円前後だったはずの借金は、いつの間にか200万円を超えるものなってしまっていた。
毎月遅れずに支払いをしているにも関わらず、借金額は増え続けていったわけである。
結果、もはやどのカードも利用限度額がいっぱいになってしまい、その支払いに頓挫、恥ずかしながら多重債務状態に陥ってしまったというわけだ。
3-1.債務整理手続を司法書士に依頼
それから何をどうすればいいのか分からなかった。
とは言え、放っておいて解決する問題でもなかったため、とりあえず借金の無料相談を行っていた近くの司法書士事務所に相談に赴いた。
そこで収入や必要生活費、自分名義の財産等を詳しく聞かれ、何パターンかの借金解決方法を提示されたわけだが、あくまで自分の場合の現実的な選択肢は一つだった。
そう、自己破産である―
借金はリボ払いだけなのに自己破産できるのか?
そうした心配はあったのであるが、その点は全く問題ないそうだった。
ただし、あまり裁判所の印象は良くないとも...。
自身に非があることは十分承知していたため、それも致し方ないことだろう。
その他、場合によってはクレジットカードで購入した商品をカード会社に返却する可能性がある旨も伝えられた。
それによって債権者側でお金に変えられるものは換金し、借金の支払いに充てるのだそうだ。
車同様、ローンの支払いを終えるまでは自分のものにはならないと言うことなのだろう―
その後、自己破産の手続を正式に司法書士に依頼、諸々の心配を他所に手続は順調に進み、無事、免責決定を受けることが叶った(すべての借金の支払義務がなくなった。)。
だいたい相談から全部で半年ぐらいかかっただろうか―
安堵感はもちろんのこと、不謹慎かもしれないが、想像していたよりは何ともない手続だったように思う(もちろん深く反省はしている。)。
自分なりに、もっと大変で、もっと怖い手続だと思い込んでしまっていたからだ。
『必要以上に怖がる必要はなく、むしろその分、深く反省すべき―』
いつだったか司法書士に言われたのであるが、まさにその通りだと思った。
4.まとめ
最近では、住宅ローンを支払えなくなってしまうケースと、リボ払いで大きな借金を負ってしまうケースが多くなってきたように思えます。
そのため、記事を今回のような内容にしてみたのですが、いかがでしたでしょうか??
或る意味での注意喚起になればと思います。
僕自身、リボ払いを利用したことはありませんが(ケチなのか、かなり勿体無く思えてしまうため)、クレジットカード自体はかなり利用しています。
皆さん同様、月の請求額にびっくりすることもしばしば...
注意しなければですね。
尚、今の世の中、クレジットカードを全く利用していなければいないで問題が生じることがあるそうです。
『スーパーホワイト』という言葉をご存知でしょうか?
確たる定義はないようですが、概ね次に該当するケースをそう呼称するようです。
- 過去に1枚もクレジットカードを作ったことがない
- 年齢が30歳オーバー
それがなんだと言うのか?
例えば―
- それまで借金経験がなく、公共料金や通信料等の支払いに遅延したことがないにも関わらず、新規作成のクレジットカードの審査に落とされてしまった...
- ローンを組むにあたって、収入からすれば通るはずの審査がなかなか通らない...
その原因の一つに、この『スーパーホワイト』がなることがあるらしいのです(スパーホワイトイ=審査に通らないというわけではありません。あくまでそのようなケースがあるという話です。)。
まあ、事故のないクレジットカードの利用歴というのは、その分、与信になるということなのでしょう。
事故はないが、これまで支払ってきた実績もないと...
確か昔、定かではありませんが、銀行員からもクレジットカードの一括返済の実績が多いと融資に有利になるような話を聞いたような記憶があります。
なんだかな...とは思いますよ実際。
もちろん、僕がどうこう言う問題ではありませんが。
皆さんはどう思われたでしょう?
新年早々長くなってしまいましたが、今回はこの辺で。
write by 司法書士尾形壮一