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川口市、戸田市、蕨市等の地方と、日本全国にみる司法書士事情

さて、今回は少しばかり趣向を変えて本ブログをお送り致します。


正直、興味のない方には全くどうでもいい内容でしょうし、実生活であまりためになるとも思えません...
ただ、それとなく自分で調べていたら結構面白かったので記事にしてみました。


世間的な知名度は残念ながらまだまだな司法書士。

本ブログが少しでも司法書士に興味を持つ切っ掛けになっていただければ、これ幸いと言ったところです―



目 次




1.司法書士は全国に何人ぐらいいるのか?

知っていたところで何の役にも立たないでしょうが、意外と気になりませんか?
司法書士は全国にいったいどのくらいいるのか―

これを調べたデータがありますのでご紹介します。

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割と新しい調査結果です。

司法書士会連合会の発表では、平成30年4月1日時点における日本全国の司法書士の数は、22,488人となっています。


ちなみにこれは、司法書士会に司法書士として登録している者の人数です。
いわゆる司法書士の資格は持っているけど、登録はせずに単に司法書士の補助者として勤務している人や、全く別の業種で働いている人、趣味の一環で司法書士資格を取得しただけの人などは含まれていません(司法書士登録を行いつつ、勤務している司法書士は上記の人数に含まれます。)。


資格を活かし、それを"業"として生活をしている司法書士の数と言うわけですね。


これを多いと取るか少ないと取るかは人それぞれでしょうが、私的にはそれよりも増えたなと言う印象が強いです(男女比の違いも想像以上でした。)。

調べてみると、かなりの概算にはなってしまいますが、ここ約40年で8,000人前、司法書士が増加した計算になります。



ちょっとびっくりですよね...


加えて、司法書士登録者は今のところ減少傾向にはありません。
年々増え続けています。


このままでは歯医者や美容室のように司法書士が溢れかえってしまうのでは?


そう思われる方もいるかもしれませんが、これ、数値上ではそんなに悪い傾向には思えないのです―



1-1.人口比率から見た司法書士数


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※総務省統計局出典



平成30年5月1日時点での日本の総人口は、億2,646万6千人です。


ですので、割合からすると日本人の約5,700人に1人が司法書士という計算になります。


これは、人口の少なめの『町』であれば司法書士が1~2人、同じく人口の少なめの『市』であれば司法書士が10人前後という割合になりますので、ある意味、今がちょうどいいバランスなのかもしれません。


ちなみに他業種と比べてみましょう。
※下記の表はそれぞれ調査年度も時期も異なる概算です。そのため、現時点の正確な数値とは言えませんので、司法書士以外の他業種はあくまでイメージとして理解ください。

業 種 登 録 数
(1,000人単位)
総人口との割合

司法書士 22 約5,700人に1人
弁護士 40 約3,200人に1人
行政書士 46 約2,700人に1人
美容室 243 約500人に1人
歯医者 68 約1,900人に1人
コンビニ 55 約2,300人に1人
宅地建物取引業者
(不動産屋)
123 約1,000人に1人


こうやって見ると意外と少ないでしょ?司法書士。
数が多い他業種と比べている部分もありますが、それでも歪なバランスではないでしょう。


では、今後は??


上記のとおり、日本の総人口自体は減り続けていますので、これ以上増え続けるとそのバランスが崩れてしまうようにも思えます。

ただし、登録司法書士の増加は、そう遠くない未来に落ち着くのではないかと思われるデータがあるのです―



1-2.司法書士試験の出願者数も合格者数も減少傾向

バブル崩壊からのリーマンショック...
そうした不景気の煽りを受けてか、"資格ブーム"なるものが到来しました。


とにかく手に職をと考える人が多かったのでしょう。
賢明な判断でしょうし、多少、動機の違いこそあれ僕自身その口でした。


結果、司法書士試験もその影響を顕著に受け、年々出願者は増加していました。



年  度 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H29 H30
出願者数 31,878 32,469 33,007 32,558 33,166 20,360 18,831 17,668

※法務局資料より出典


そのピークは平成22年でその数、実に33,000人オーバーです。
年に1度しかない試験としては結構な数と言えるでしょう。


対して今年の出願者数と言えば―


半数とまでは言いませんが、それに近しい人数に落ち着いています。
また、これに比例しているわけではありませんが、合格者数にも顕著な変化が生じています。


年  度 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H29 H30
合格者数 914 919 931 921 948 879 629 発表前

※法務局資料より出典


最新の合格発表はまだですが、ピークだった平成22年と去年を比べると300人以上も減っています。
おそらく今年は更に減っていることでしょう。

質を下げてまで合格者を増やしてもあまり意味がないでしょうから―


人口や社会情勢等、そうなった要因は色々考えられます。
あるいは、司法書士自体がそんなに旨味のない資格だと思われてしまったのかもしれません。


一時期、資格予備校などが過大な宣伝を繰り広げていましからね。


他の資格同様、司法書士資格も取りさえすれば誰もが楽に食べていける資格というわけではありません。
それは確かです。

人によっては、労力に対するリターンが少な過ぎると判断することもあるでしょう。


ともあれ、私的には色々な意味で今が正常だと思っています。
あくまでそんなものでしょうと。


ちなみに余談ですが、僕の司法書士資格の合格年度は平成20年です。
とんでもない年に受かったなと...今になって思います。



2.川口市、戸田市、蕨市における司法書士事情

敵情視察と言うわけではありませんが、本当は何気なくこの辺を調べていたら、全国的なものも気になってきて本ブログテーマに至りました。


全国的なものは全国的なもので面白いですが、地域的なものもそれと変わらず興味深いものがあります。


まずは、それぞれの人口を各市役所の発表を元に紹介します。

川口市 戸田市 蕨市
人  口 600,050 139,383 75,146

※川口市については平成30年1月1日時点、戸田市については平成30年10月1日時点、蕨市については平成30年10月3日時点の人口となります。



それぞれの市の面積の差がもちろん大きいでしょうが、私的にはそれもでも差があるなという印象です。

では、それら川口市、戸田市、蕨市における司法書士事情はどうなっているでしょうか?



2-1.川口市、戸田市、蕨市の司法書士登録数

司法書士は、司法書士登録と同時に各支部に所属することになります。

例えば僕のように埼玉県川口市に事務所を構える場合は、埼玉司法書士会に司法書士登録を行い、川口支部の所属となるわけです。


ちなみにこれが埼玉司法書士会のホームページで見ることができる僕の登録情報です。


「尾形壮一の詳細情報/埼玉司法書士会HP」
https://www.saitama-shihoshoshi.or.jp/kojin/%E5%B0%BE%E5%BD%A2-%E5%A3%AE%E4%B8%80/



実はこれ、初めてみました。
自分で自分を調べることはあまりありませんから―

事務所所在地のGoogleMapや、研修単位取得状況(司法書士は年間12単位の研修が義務付けられているのです。)まで開示されているのですね...


ちなみにこのサイトでは誰でも簡単に司法書士検索を行うことができます。
ここからお近くの司法書士事務所を探してみるのもいいかもしれませんね。


僕自身、川口市等、それぞれの市に登録されている司法書士を調べてみました。
以下がその結果です。


  • 川口市  個人登録司法書士  57件、司法書士法人登録数  1件
  • 戸田市  個人登録司法書士  15件、司法書士法人登録数  0件
  • 蕨市   個人登録司法書士   5件、司法書士法人登録数  0件



「川口市だけで60人近くもいるのか、やはり多いな...」と、言うのが率直な感想でした。
対して、蕨市は想像以上に少ないなとも...


ただし、それぞれの人口の割合からすると、意外な結果となりました。


川口市では市民約1万人に対して司法書士が1人、戸田市では、約9,300人に1人、蕨市に至っては約1万5,000人に1人の計算となり、全国平均(約5,700人に1人)を大幅に下回っていたのです。


データだけを見れば、川口市や戸田市、蕨市は司法書士にとっては仕事がし易い地域と言うことができるでしょう。



ただし、もちろん川口市に住んでいても、依頼するのは東京の司法書士というようなケースも多くあるため、一概にそうと言えるものではありません。

事実、僕自身の仕事の割合は圧倒的に都内が多いです。
その他、松戸市や柏市等、千葉県の案件もかなり多く、茨木県や神奈川県の案件も定期的にこなしていますから。


その点では、司法書士はあまり土地に縛られない職業と言えるのかもしれませんね。




3.司法過疎について

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川口市や戸田市、蕨市の司法書士の割合が全国平均より下回っていたのは記述のとおりです。

ただし、これ、実は他の多くの地域についても言えることですし、むしろ埼玉県はまだその差がおとなしいぐらいです。
もっと極端な地域は数多く存在します。


理由は、司法の一極集中です。

東京や大阪などの大都市に司法書士が集中しているわけです。


中でも特に多いのが東京です。
日本司法書士連合会の発表では、東京司法書士会登録の司法書士は平成30年10月時点で4,200人を超えているそうです。


なんと、日本全国の登録司法書士の5分の1近くが東京にいる計算になります―


対して最も少ないのが島根県であり、日本司法書士連合会の発表では、平成30年10月時点で県全体の登録司法書士数は99人となっています。


尚、これは弁護士等、他の仕業にも言えることです。
身近に法律の専門家がいない地域があるのが、当たり前になっていると言っても過言ではないでしょう。


"司法の過疎化"進行は顕著です。


司法書士全体の人数自体に問題があるとは思っていませんが、これについては捨て置ける問題ではありません。

もちろん国もこうした状況を放置しているわけではありません。
色々な動きがありますし、相応の結果が出ている部分もあります。


ただし、その辺についても当ブログで詳しく触れるとなると、複雑になってしまうのはもちろんのこと、内容もちょっと逸れていってしまいます。

ですので、それらつきましては需要があればまたの機会ということで、今回は締めさせていただきます。

ではでは。