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債務整理

借金相談及びその後の手続の流れについて


いつもお読みいただきありがとうございます。


さて、今回は借金問題そのものと言うか、通常、司法書士九九法務事務所で行っている借金相談方法や、その後の手続の流れについてご紹介したいと思っております。
借金問題はなかなか相談しにくいですからね。


羞恥心もあれば、怒られるんじゃないかと言った恐怖心などもあるかもしれません。
そもそも、経験値が絶対的に少ないはずですので、どうなるのか想像すらつかないかもしれません。
その他、よく分からないけれど、大きな問題になるのではないか?等々...


そういった不安を少しでも解消できるよう、どういった相談を、どのよう手続で、どう解消していくのか―
なるべく分かり易く時系列に沿ってご説明させていただくことにします。



<目 次>




1.とにもかくにも面談が大事

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僕がもっとも重きを置く部分です。
まずはこちらが詳細を把握しなければ、良いアドバイスなんて出来るわけがありませんから。


そのため、初回の面談時から1時間以上かけて面談することがざらです。
もちろん、長ければいいわけではないでしょうし、短く済む分に越したことはないでしょう。
時間は有限ですし、何より短く済めば僕も楽です。


とは言え、最低限のことを聞くだけでも結構な時間がかかってしまうものなんです...


では、具体的にどのような内容をチェックしているのか?
概ね以下のとおりです。


<借金内容>

  • 計何社から借入れ等しており、借金総額は幾らになる認識か?
  • キャッシングなのか、リボまたはショッピングなのかの確認
  • 借金(借入れ)の開始時期
  • 最終の返済時期
  • 滞納税金の有無



<家計内容>

  • 相談者の月額の収入(手取り)
  • 世帯全体の収入
  • 世帯全体の大まかな固定費の支出
  • 住宅ローンの有無
  • 扶養家族の有無
  • 子供の人数・年齢と今後の進学予定等
  • 仮に借金が無ければ毎月貯蓄できるであろう金額



すべての方にこれらを聞いているわけではありません。
もちろん、ケースによっては聞かない項目もあります(独り身の方もいますから。)。
ただ、ほとんどの方にこれら、もしくは保有財産等々、更に詳しいことを聞いていたりもします。


それは何のためなのか?


もちろん、興味本位で聞いているわけではありません。
僕なりに気になる部分をチェックしているのです。

もっと言えば、適した手続が何なのかを判断しているのです。



1-1.面談時のチェック項目~想定される借金額~

まずは借金の全容を明らかにしていく作業です。


では、どのような事を聞いているかと言うと―
各社の借金額はもちろんのこと、種別や借入年数、最終支払日等も確認しています。
その他、過去に完済したことのある借金の有無や、その時期等も聞きますね。


尚、そこから導かれるのは法律上、正しい借金額の想定です。
実のところ、相談者が把握している借金額は、必ずしも正しいものとは限りません。

それらについての細かい説明は割愛しますが、過払い金が発生していることもあれば、そもそも時効にかかっている借金などもあります。
結果、場合によっては、相談者が把握しているよりも借金が減額することもあると―
(反面、時効にはかかっておらず、遅延損害金の発生により借金が増額することもあります。)

まずはそれらを面談段階である程度把握しておく必要があるというわけなのです。




1-2.面談時のチェック項目~家計の収支バランス~

ある程度、正確な借金額が把握できたとしても、経済状況を何ら把握していないのであれば、良いアドバイスなんてできません。
債務整理手続は、借金額だけで決まるわけではなく、あくまで収支とのバランスによるからです。

  • 任意整理によるべきか?
  • 自己破産が妥当なのか?
  • もしくは個人再生か?


手取り収入や世帯全体の収入、家賃、住宅ローン、電気光熱費、教育費、保険料等々、家計の収支をある程度把握し、毎月に拠出可能な返済金額を割り出していく作業を行います(その過程で、たまにですが保険の見直しを助言したり、携帯料金等の一本化を勧めたりもします。意外と無駄多いことがあるので...)。

尚、毎月に拠出可能な返済金額とは、本来であれば毎月貯金可能な金額のことです。
債務整理手続は、借金解決手続に間違いありませんが、同時に家計の見直し手続でもあるのです。




2.債務整理手続受任後の流れ

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面談後、正式に債務整理手続を受任することになった際の流れについてご説明致します。
基本的にどの手続であっても当初の流れに大きな違いはありません。

イメージとしては、面談時に聴取した内容をもっと具体的にしていく作業とでも言いましょうか―

借金額を確定させ、支払い能力を再確認することが主な内容となります。



2-1.各債権者(借金先)へ受任通知を発送

兎にも角にも、まずはこの手続を行います。
端的に言えば、『司法書士が債務整理手続を受任した旨の通知及び今後の連絡は本人ではなく司法書士宛てにするように促す通知』です。


そのため、この受任通知が借金先へ届けば、原則、それ以降、催促等の連絡はありません(厳密に言えば、司法書士側にあります)。


ひとまずは安心と言ったところでしょうか―
借金先からの連絡がなくなるので、家族に借金を内緒にしているような方は、ほっと一息つけることでしょう。
ただ、もちろんこの時点では何も解決していませんので、その点は自覚しておいて下さい。

また、それと合わせて借金先に取引明細なるものを要求します。
過払い金や消滅時効の有無をチェックし、本人の認識額ではない、法律上、正確な借金額を割り出すためです。

結果、ケースによっては借金額が想定よりも大きく変化することがあるため、選択する手続が変更(任意整理⇒破産、破産⇒任意整理等々)することもあるわけです。



2-2.履行テスト兼報酬積立

2-1の受任通知提出後、しばらくの間、借金の返済はストップとなります。
借金総額等を把握した後に取るべき債務整理手続を決定することになるため、それまでの準備期間と言ったところです―


基本的には、この間を利用して司法書士報酬を積立ていただくことになります。
※借金の支払いと司法書士報酬の積立は重なりませんのでご安心ください。

尚、面談の上、任意整理や個人再生を希望の方には、あわせて履行テストも行います。
いずれも、"借金を支払う手続"ですので、司法書士報酬の積立金額を想定される借金支払金額に見立て、実際に支払えるかどうか数カ月に渡ってテストするわけです。



毎月幾ら支払えるか?



ある意味、債務整理手続の命題とも言えます。
そして、この判断が意外と難しいのです...

非難覚悟で言うと、だいたい依頼者の認識は甘いです。
なかには激アマな方もいます。

まあ、でもそれも致し方ない部分はあります。
なにぶん、これまで月にかなりの金額を返済してきた実績があるので、借金の支払いが止まった今であれば、同等の積立ができると考えてしまいがちなのです。


ただ、よく考えてみてください。


借金返済のために新たな借入れをしていませんでしたか?
仮にしていなかったとしても、生活費の補填のためリボを利用していませんでしたか?


状況は似ているようで、結構違うのです。


重複しますが、毎月に拠出可能な返済金額(履行テストに基づく積立金額)とは、本来であれば毎月貯金可能な金額のことなのです。

例えば毎月5万円をコンスタントに何年も貯金できますか??
おそらく2~3万円が限界という家庭が多いと思います。

その辺りを明確にしていく作業でもあるのです。
尚、これによって債務整理手続が変更になることはそれなりあります。
希望と現実は必ずしも一致しないですからね...

とは言え、できないと分かっていることをやる以上に無駄なことはありません。
であれば、他の手続で問題解決する方法を模索すべきです。


その点からしても、事前の履行テストは大事な手続なのです。


ちなみに、自己破産を前提に進めていく案件では、履行テストは行いません。
そもそも、借金を支払う手続ではありませんから―

そのため、基本的には日々の生活を行う上で支障のない金額を毎月積み立ててもらっております。




3.債務整理手続の決定

相談者の希望を踏まえた上、手続の大筋を面談の段階である程度決めます。
それに基づき、後に履行テスト等を行い、それと並行して債権者から債権届出を取集する。

それがここまでの話しであり、基本的な債務整理手続の流れです。


残すは最終的に取るべき債務整理手続を確定させるだけです。


任意整理であれば、各債権者との和解交渉をこちらで行います。
自己破産や個人再生であれば、裁判所に提出する書類等を作成する感じです。

特に自己破産や個人再生の場合は、家計表の作成や、依頼者側に収集をお願いする書類等がそれなりに発生しますので、相応に大変かと思われます。

ただ、そこは我慢ください。
その結果、借金を支払わない、もしくは大幅な減額を実現する手続ですので、そもそも簡単なわけがありません。
手続に伴う手間は、甘んじて受け入れるべきなのです。

そこはご協力いただき、いち早い問題解決を目指していきましょう。
※自己破産や個人再生手続で必要となる書類等につきましては、また別の機会でご案内致します。



4.まとめ

さて、今回は借金相談の中身と手続の流れを簡単にご紹介しました。
もちろん、案件によっても異なってきますし、実際に手続を行う専門家によっても違いは少なからずあるでしょう。

あくまで一般的な、あくまで僕が行う債務整理手続としてご認識ください。
なんとなく雰囲気だけでも伝わればな...と思った次第ですので。

それでは今回はこの辺で。

write by 司法書士尾形壮一