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遺言

遺言書でできることには限界があります

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遺言書はお亡くなりになれた方から、ご家族や生前に世話になった方へ宛てたメッセージです。
そのため遺言書に記載できる内容には制限はありません

家族に対する感謝の言葉はもちろん、極端なお話、罵詈雑言だって書くことができます(たま~に実際に目にします。)。
それこそ遺言書を書く人の自由です。

とは言え、だからと言ってすべてに法的な効力を持たせられるわけでもありません。
なんでも書けます、なんでも書けますが、遺言書によってできることには限りがあるのです。

遺言書に書いて法的な効力を持つもの

先に結論を言うと、遺言書に書いて法的な効力を持つのは、身分に関すること相続に関すること財産の処分に関することにほぼ限定されます。

以下にまとめてみますと―

身分に関すること: ・子の認知 
・未成年後見人の指定、後見監督人の指定
相続に関すること: ・相続分の指定(またはその委託)
・遺産分割方法の指定(またはその委託)
・遺産分割の禁止
・推定相続人の廃除および廃除の取消
・相続人責任相互の担保責任の指定
・遺留分減殺請求の指定
財産の処分に関すること: ・負担付き遺贈
・寄付行為
・信託の設定
その他、遺言でできること: ・遺言執行者の指定(または指定の委託)
・祭祀承継者(墓の承継者等)の指定

これらの中で皆さんが想像されるであろう遺言内容の多くは、相続分の指定遺産分割方法の指定についてものでしょう。

相続分の指定の具体手的な使用文例としましては―

第○条 遺言者は、遺言者の所有する末尾記載の財産の10分の7を長男である~に、10分の3を長女である~相続させる。

と、いった感じでしょうか。
なんとなく目にしたことがあるのではないでしょうか?

続いて、遺産分割方法の指定の具体的な使用文例です。

第〇条 遺言者は、遺言者の所有する末尾記載の財産の内、不動産を長男である~に、預金を長女である~に相続させる。

と、いったのもそうですし、次の換価分割(物をお金にかえて分ける方法)などもこれにあたります。

第〇条 末尾記載の財産のうち不動産については、遺言者執行者において売却後、その売却代金から売却にかかる諸経費を支払い、残額を前第〇条に記載の内容に応じて各自に分配するものとする。

尚、これらは生前行為ではその効力が生じません。
あくまで遺言によってのみできる行為なのです。

これだけでも遺言を作成する有用性は非常に高いと言えるでしょう。

その他、遺言執行者の指定や遺留分減殺請求の指定、負担付き遺贈なんかも事務上ではよく使われますし便利です(それらについての詳細はまたの別の機会に。)。

遺言書でできないことはどうすればいい?

なんだかんだ遺言書で結構色々できるじゃないか!
自分にはこれで充分だ。

そう思われる方もいるでしょうし、もっとこういうことはできないのかな?
と、思われる方もいるでしょう。

例えば通夜、告別式、火葬、納骨、埋葬、永代供養に関することや、ご遺体の引き取り、行政官庁等への諸届け事務等々です。

それを行ってくれる子供がいればいいでしょうが、独身の方や子供のいない方もいらっしゃるでしょう。
子供がいても疎遠になってしまっているようなパターンも珍しくはありません。

もちろんこれらの要望を遺言書に書き記すこと自体は可能です。
ただしそれは法的な意味合いのない単なるメッセージにしかなりませんので、本当にそれが実現されるかどうかは受け手次第といったところでしょう。

ではどうすればいいか?

もちろん何をどうしたいかという要望にもよります。
何でもはできませんから。

ただし、上記の例などは、死後事務委任契約というものを別に作成することで解決できる部分があります。

遺言書でできないのであれば、他の手続で不足を補えばいいだけの単純な話なのです。


まとめ

遺言書でできることには限界があります。
ですのでまずは何をどうしたいのかをまとめるのが先決です。

その上で遺言書だけでいいのか?
死後事務委任契約等の他の手続も考慮すべきか?

財産のこと、相続のことだけであれば遺言書のみで充分です。
(とは言え、色々なパターンを考慮した法律上しっかりとした遺言書でないと意味はありませんよ。)

ただし、それ以上をもとめるのであれば―

専門家として皆様の『終活』をお手伝い致します。

ではでは。