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債務整理どのくらい借金が減るのか?
さて、今回は借金減額のお話です。
- 手続後に借金はどうなるのか?
- どのくらい借金が減るのか?
気にならないわけはないと思います。
そこで、ここでは債務整理の後に借金がどうなるかをまとめてみましたー
借金がすべてなくなります
- 自己破産
- 消滅時効援用
これらの手続は借金の減額というか、基本的にすべての借金を支払う必要がなくなります。
成功すれば借金はゼロになるわけです。
ある意味、分かり易く、イメージもし易いでしょう。
ただし、もちろん無条件というわけではありません。
それに伴うデメリットもありますし、諸々の要件が整っている必要があります。
効果が大きい分、超えるべきハードルがあるのです―
借金を大きく減額することができます
- 個人再生(小規模個人再生)
この手続は自己破産等のように借金がすべてなくなるわけではありません。
しかし、小規模個人再生は自己破産のデメリットを埋めつつ、借金を大きく減額できる非常に有用な借金解決方法となります。
とは言え、なかなかイメージし難いと思います。
家を、自宅を守れるのはいいが、借金自体はどうなるのか?
いったいどのくらい減額されるのか?
気になるところでしょう―
3つの枠
小規模個人再生は、一概に幾ら減額できるというものではありません。
むしろ、減額する金額よりも支払うべき金額を決める手続なのです。
結果、その差額が減額された借金となるわけです。
とは言え、これでは分かりにくいですよね?
ですので、いきなり結論から申し上げますと―
次の3つの枠のうち、最も大きいものが支払うべき金額となります。
- 100万円
- 借金額の5分の1
- 財産の合計金額
例えば1が最も大きくなったとすると、借金の支払額は100万円になります。
将来利息は付きません。
『500万円+将来利息』の借金であっても、小規模個人再生手続を取れば100万円のみの支払いで済むことがあるのです。
単純計算で『400万円+将来利息』の減額です。
一気に借金完済への道筋が見えてきませんか?
さて、その3つの枠の簡単な説明は以下のとおりです。
- 「100万円」
これは単純に100万円という数字です。それ以上も以下もありません。 - 「借金額の5分の1」
これも簡単です。
単純に借金額の5分の1という意味合いです。
例えば総借金額が400万円であった場合は、その5分の1ですので、80万円となります。 - 「財産の合計金額」
これは言葉としては簡単なのですが、わりと判断に迷う部分かもしれません。
「ここで言うところの財産は何を指すのか?」がポイントとなります。
代表的な財産としましては、以下の8つが挙げられます。
ちなみにご家族のものは関係ありません。
あくまで本人名義のものがその対象となります。
1. 現金
2. 預金(定期預金も含む)
3. 保険(生命保険、学資保険、年金積立、火災保険等)
※ 満期時ではなく現段階で解約したと仮定した際に発生する「解約返戻金」が基準となります。
4. 自動車、バイク
※購入時期の金額ではなく、あくまで現段階の査定金額がその対象となります。
尚、外車等車種にもよるところはありますが、概ね初年度登録から10年を経過した自動車に財産
価値はありません。
5. 退職金
※定年時ではなく、現段階で退職したと仮定した際の退職金の8分の1の金額が基準となります。
6. 有価証券
※株式、ゴルフ会員券等の時価が基準となります。
7. 不動産
※原則として固定資産評価額ではなく、実勢価格(売買で実際に取引が行われている価格)がその基
準となります。
尚、住宅ローンが設定されている不動産であれば、実勢価格から住宅ローンを控除した金額が手続
上の不動産価格となります。
Ex.不動産の実勢価格(3,000万円)、住宅ローン(残額3,500万円)こうした状態
8. 社内積立金等
をオーバーローン(不動産価格を住宅ローンが上回っている状態です。)と言い、手続上の
不動産価格は0円となります。
※毎月給与から積立を行っている社内積立や自社株なども財産にあたります。
どれが一番大きくなりそうですか?
限度(借金総額5,000万円以内)はありますが、よほどの財産でもない限り、借金が大きければ大きい程、減額率も大きくなるわけです。
事例
借金が合計で400万円、預金、保険を中心とし、その財産合計が仮に90万円であった場合、小規模個人再生の3つ枠に当てはめると次のようになります。
- 100万円
- 80万円(借金400万円の5分の1)
- 90万円(財産の合計)
見ての通り、この場合の最大値は100万円となります。
結果、借金の元金にして300万円もの減額と、将来利息の免除に成功することになるわけです。
尚、原則はこれを3年払い(36回払い)で支払う必要がありますので、一月当たりの支払金額は3万円を切ることになります。
以前と比べてどうですか?
このように小規模個人再生は、諸条件を満たせば400万円もの借金が毎月3万円、かつ、わずか3年で完済できる非常に有用な手続なわけです。
将来利息を免除できる場合がある
- 任意整理
他の手続とは異なり、よっぽどの条件が揃わない限り借金の元金減額は望めません。
任意整理手続は、裁判所を用いるわけでもないですし、単に支払いが苦しいので支払い方法変更してくれという任意のお願いに過ぎませんから―
しかし、任意であるが故、最も応用が効きます。
また、必ずできるわけではありませんが、将来利息がなくなるだけでも実質的には結構な減額と相違ありません。
大きなデメリットもありません。
例えば『100万円+将来利息』の借金の支払方法を組み直し、『月額1万6,000円の60回払いのみの借金』にするようなイメージです。
これだけでもだいぶ楽になるはずです―
任意整理手続は、借金が少額のうちに行う有用な借金解決方法なのです。
借金がなくなるどころか戻ってきます
- 過払い金
まさに奇跡のような話です。
過払い金が発生しているということは、借金がなくなるだけではなく、その上で払い過ぎた利息が戻ってくるということです。
もはや減額とかそういう話ですらありません。
ただし、時効期間は借金の最後の支払いから10年ですので永続的なものではありません。
また、適正な利息(厳密に言うと異なりますが、18%未満を基準に考えると分かり易いです。)であれば当然ながら発生すらしません。
尚、借金が残っている必要はありません。
要件に当てはまるのであれば、完済した借金にも過払い金は発生します。
まとめ
手続によって借金の減額率が異なるのは記述のとおりです。
ただし、それだけで借金の解決方法を選ぶものではありません。
あくまでこれらは参考としていただき、収入や財産、ライフスタイルに応じ、最も有用な手続を選択することが何より重要になってきます。
あなたはどの手続に興味がありますか?
「債務整理(自己破産・個人再生・任意整理)/司法書士九九法務事務所」
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