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不動産登記

土地の売買等、登録免許税の軽減処置について


いつもお読みいただきありがとうございます。



寒暖差が激しいですね。
ジャケットがいらないぐらいの暖かい日になったかと思えば、次の日にはむしろコートやマフラーが必要なぐらいに寒い日に...

その影響でしょうか―

こなにも長い間、桜の花が散らずに残っているのは、ちょっと記憶にありません。
卒業式だけでなく、入学式でも桜が見られるというのは、良いのか悪いのか...

少なくとも気温の変化で僕は体調を崩しがちです。
皆さまも風邪など引かぬようご注意ください。



さて、今回は"登録免許税"についてのお話を少し。
中でも土地売買についてのご説明を中心にお送りさせていただく予定です。

登録免許税という、かなり特殊な税金が主題となりますので、正直、分かりにくい部分は多々あると思いますが、どうぞ最後までお付き合いください(いつもよりは短めにしてますし。)。



<目 次>




1.登録免許税について

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不動産の名義を変更等を行う際には、"登録免許税"という税金を法務局に納める必要があります。
司法書士に何らかの登記手続を依頼した経験のある方は、当時の領収書などを確認してみてください。
きっと、司法書士報酬とは別に登録免許税の項目があるはずです。


登記業務にとっては切っても切れない登録免許税―


もちろん、予めその税率は決まっていて、不動産価格(固定資産税評価額)に所定の税率を乗じることによって算出することが多いです(その他、住所変更や抵当権の抹消登記のように不動産の個数×1,000円なんてものもあります。)。



例えば―

  • 土地の売買:土地価格(固定資産税評価額)の1.5%
  • 建物の売買:建物価格(固定資産税評価額)の2.0%
    ※ただし、住宅用家屋証明書を取得できれば、建物価格(固定資産税評価額)の0.3%
  • 土地・建物の贈与:不動産価格(固定資産税評価額)の2.0%
  • 土地・建物の財産分与:不動産価格(固定資産税評価額)の2.0%
  • 土地・建物の相続:不動産価格(固定資産税評価額)の0.4%



固定資産税評価額が1,000万円の土地であれば、それに基づく土地売買の登録免許税は、<1,000万円×1.5%=15万円となるわけです。



そう、結構高いのです。



都内の一等地ともなるとその価格は―



ただし、これ、常に一定と言うわけではありません。
土地の売買がその代表例ですが、現在、一部の登録免許税については軽減処置がなされており、実は期間限定で本来の税率よりも安くなっているのです。




1-1.土地売買による登録免許税の軽減処置の延長

本来、土地の売買の税率は、"土地価格(固定資産税評価額)の2.0%"です。
上記で言うところの、建物の売買や、贈与、財産分与等と同じ税率ですね。


ただし、不動産の流通を活発化させる趣旨で、土地の売買や住宅用家屋等に係る登録免許税の税率の軽減処置がなされました。



その結果―


土地の売買に基づく、税率が1.5%に軽減されたわけです。

僅か0.5%かもしれませんが、実際に計算してみると結構な違いが出てきます。
上記の例で言えば、1,000万円の土地売買の登録免許税は15万円でしたが、これが本則どおりであれば20万円になります。

1億の土地であれば、その差、なんと50万円―


ちなみに、この登録免許税の軽減処置はあくまで期間限定のものです。
尚、我々司法書士のような特殊な職業でもない限り、それを気にしていた方は少ないかもしれませんが、本来、土地の売買については、2019年3月末日迄の軽減処置となっていました。


延長になるのか、本来の税率に戻るのか、見積依頼がくる度にやきもきした気持ちになっていましたが、先ごろようやっとその発表がなされました。


無事、適用期間の延長です―


具体的には、2021年3月31日迄、2年間延長されることになったのです。
もうしばらくの間は、土地の売買の登録免許税は、土地価格(固定資産税評価額)の1.5%で済むというわけですね。




1-2.その他の登録免許税の軽減処置について

土地の売買以外にも、登録免許税の軽減処置が適用されているものがあります。
せっかくですので、それらをまとめてみることにします。


 記 の 種 類

本来の登録免許税率 軽 減 処 置 後
所有権の移転登記(土地売買) 2.0% 1.5%
所有権の信託登記 0.4% 0.3%
所有権の保存登記
※住宅用家屋証明書の適用有
0.4% 0.15%
所有権の移転登記(建物売買)
※住宅用家屋証明書の適用有
2.0% 0.3%
抵当権の設定登記
※住宅用家屋証明書の適用有
0.4% 0.1%



尚、住宅用家屋証明書とは、対象となる建物を管轄する市区町村長で取得できる軽減の証明書のことを指します。

過去に住宅用家屋証明書を取得する際の注意点等をまとめた記事を他の媒体に記事投稿してますので、興味のある方はこちらをご覧ください。



「不動産購入時の登記は、『新住所 or 旧住所』、どちらにすべき?/暮らしっく不動産HP」
https://www.kurachic.jp/column/1980/




ちなみに上記の登録免許税の軽減処置ですが、その種類によって適用期間が異なってきます。

信託登記に関しては、土地の売買同様、2021年3月31日迄であり、他についてはすべて2020年3月31日迄となっております。


来年迄なんですね―


ただし、実のところこれまで何度も延長されてきた経緯もあるので、来年以降も延長される可能性は高いと思います。

なにせ今年の10月1日には消費税の増税(8%⇒10%)があります。
その混乱に乗じて登録免許税の軽減処置が満了...とはならないとは思います(たぶん)が...


ともあれ、今の時点では誰にも断言できることではないので、新しい情報が入り次第、追ってご報告いたします。




2.まとめ

今回は登録免許税の軽減処置の話でした。


尚、登録免許税は"登録免許税法"という法律に定められております。
読んで面白いものではないと思いますが(ただの法律の条文ですので)、興味のある方は調べてみるのもいいかもしれませんね。


ちなみに、僕はこの辺はあまり得意ではないので(どうしても税率が頭に入りにくい...)、頻繁に行っていない登記の場合はしょっちゅう調べ直していたりします。


多少、短めですが今回はこの辺で。

write by 司法書士尾形壮一