取扱業務
会社(法人)の登記手続について本店移転登記
会社の本店を移転した場合は、移転日から2週間以内に本店移転の登記を法務局で行わなければなりません。
尚、本店移転は次の2パターンがあり、どちらに当てはまるかで手間も実費も変わってきます。
法務局管轄内移転と管轄外移転
まず法務局管轄内移転とは、例えば川口市内で本店を移転するような場合です。
この場合ですと本店移転後も法務局の管轄は変わりませんので登記手続は簡易に済みます。
川口の法務局で本店移転の登記申請を行えばいいだけですから。
では管轄外移転はどうでしょう?
例えば川口市内から蕨市や戸田市等に本店を移転するような場合です。
そんなに変わらないように見えてこれだけで意外と面倒になります。
具体的には旧本店所在地を管轄する法務局(川口)を経由して新本店所在地を管轄する法務局(埼玉本局)へ登記申請を行わなければなりません(経由申請と言います。)。
登記申請書もそれぞれの法務局につき必要です。
それだけならまだしも、それぞれの法務局に登録免許税を納める必要すらあります。
結果、管轄内移転の場合ですと3万円で済む登録免許税が、管轄外移転の場合になると倍の6万円になってしまうというわけです。
手間も費用も倍増です。
尚、他にも注意点はあります。
本店移転を決定する機関の話です。
以下、その説明です。
基本的には取締役会(取締役会を設置していない会社では取締役の過半数の一致)で移転場所と移転日を決めます。
会社の定款上で定める本店は、最小行政区画である市町村まで(東京都の場合には特別区、政令指定都市は市まで)を記載すれば足ります。
そのため、我々司法書士のような専門家がつくった定款はすべての本店所在地の記載をしていません。
第3条 本店を埼玉県川口市に置く。
(埼玉県川口市並木4丁目20番11とは記載しません。)
それはなぜか?
後の本店移転に備えているからです。
上記の例で仮に川口市内で本店移転を行うのであれば定款の記載に変更はありません。
「本店を川口に置く。」という文言から変更ないですから。
では蕨市に本店を移転した場合はどうでしょう?
当然ながら定款の記載を「本店を埼玉県蕨市に置く。」と変更しなければなりません。
尚、これは立派な定款変更となります。
そのため、取締役会(取締役会を設置していない会社では取締役の過半数の一致)の前提として株主総会でその承認を受けなければならなくなってしまいます。
またこの株主総会は特別決議(議決権を行使できる株主の過半数が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成で行う決議)で行う必要があり、本店移転登記の添付書類となります。
このようにどこに本店を移転するか、どのような定款の記載になっているかによって、登記申請の方法や金額、添付する書類や決議方法などにも違いが生じます。
まずは会社の定款をご用意いただき司法書士にお気軽にご相談下さい。
費用・報酬
こちらを参照下さい。