平日9:00〜20:00(土日は要予約)

ブログ

その他

司法書士試験会場が大幅に減少とのこと


いつもお読みいただきありがとうございます。


さて、今回は次のブログネタを決め切れていないこともあり、たまには業務とは直接関係のない内容でお送りさせていただきます。
そのテーマは"司法書士試験"についてです。

これぐらいの季節になると、なんとなく調べちゃうんですよね司法書士試験...

僕は典型的な短期集中の詰め込み型だったので、だいたい3月ぐらいから本番の7月に向けてスイッチが入る感じでした。
もう10年以上経っているのに、その時の感覚が残ってるのかな??

お時間のある方は是非ご覧いただければとー



1.司法書士試験会場が50か所から15か所に減少

調べてみると、どうやら去年の段階で発表されていたようですが、今年から正式に実施されるそうです。
しかし、まあ、なんとも思い切った減らしっぷりですよね...


いきなり半分以下ですから。
具体的には、これまで全国各地で行われていたものが、今年の試験から次の15か所の法務局又は地方法務局の管轄区域内の会場においてのみ実施されるようになるそうです。

  • 東京、横浜、さいたま、千葉、静岡、大阪、京都、神戸、名古屋、広島、福岡、那覇、仙台、札幌、高松


他の国家試験等もそうなのでしょうか?
それでも関東は恵まれているような気がしますが、九州、東北、北海道にお住まいの一部の方などは、特に大変そうに思えます。
どう考えても、前泊が前提になってしまうでしょうから...

ただでさえ年に1回の試験に集中したいところなのに、宿泊施設の確保にも気を回さなければならないのに加え、余計な出費も発生してしまうわけです。

では、なぜこのようなことになってしまったのでしょうか?
もちろん、嫌がらせなどではなく、それ相応の仕方がない理由がそこにはあったのですー




1-1.引き続き減少傾向にある司法書士試験出願者

端的に言うと、費用面の問題でしょう。
全国50か所でこれまでどおり実施するには、当然ながらそれに応じた人員が必要になってきます。
その詳細までは分かりませんが、法務省に相応の負担がかかるであろうことは容易に想像できます。


その負担を補ってきたものと言えばー


そうです。
試験の手数料です。


司法書士試験と言えどもタダで受けられるわけではありません。
僕が合格した平成20年度は、5,000~6,000円ぐらいだったような気がします。

それが去年は、8,000円に値上げされいました。
今年はまだ発表されていないようですが、今後、更なる値上げがあるのでしょうか?


ただし、それも致し方ないのかもしれません。
なにせ司法書士試験の出願者が減る一方なのですから...


当ブログでも、以前にその辺の統計等をまとめた記事がありますので、興味のある方はこちらもご覧ください。


「川口市、戸田市、蕨市等の地方と、日本全国にみる司法書士事情/司法書士九九法務事務所HP」
https://99help.info/blog/post_66/



尚、直近である2019年(平成31年)度の各司法書士試験データは次のとおりでした。

  • 出願者数:16,811人
  • 受験者数:13,683人
  • 合格者数:601人


対して、ピークと言われている2010年(平成22年)度がこんな感じです。

  • 出願者数:33,166人
  • 受験者数:26,958人
  • 合格者数:948人


10年足らずの間に何があったのでしょうか...
これだけ減ってしまうと、手数料の値上げでだけでは補えなかったのでしょう。
まあ、当時は一種の資格ブームでしたから、単純な比較対象としては不向きかもしれません。
とは言え、それを差し引いて考えたとしても、去年の司法書士試験出願者数は平成に入ってから最も少ない人数なのです...


もちろん少子化の影響も大きいでしょう。
ただし、それだけで済まされるようなものでもない気がします。

私的には、なんとも寂しい結果ですよね。

ともあれ、データを見る限り、司法書士試験会場の減少は致し方ない対策だったのかもしれないという話でした。




1-2.新型コロナウィルスの影響は?

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、資格・検定試験の中止や延期が相次いでいるそうです。
司法書士試験はどうなんでしょうね?


ただ、司法書士試験は毎年7月の第1日曜日に実施されています。
今年も変わらず、7月5日(日)に実施予定とのこと。
※その後、多少動きがありました。詳細は下記をご確認ください。


さすがに7月までには沈静化して欲しいところですよね。


とは言え、それが保証されているわけではないので、最悪の場合は延期等もあるのでしょう。
ただでさえ年に1回しか実施されない試験ですので、中止にでもなったら...

そう考えると、モチベーションを保つのが難しい面もあるかもしれませんね。


何かにつけていつもと様相が異なる今年の司法書士試験。
おそらく、本格的に債権法や相続法の改正内容が試験にも盛り込まれる年でもあります...

受験予定の方は本当に大変でしょうが、幸運を願っております。


※2020年4月8日、法務省は新型コロナウイルスの影響で5月13、14、16、17日の4日間かけて、全国7都市でおこなう予定だった司法試験を延期するとの発表がされたようです。加えて、5月17日に予定していた予備試験の短答式試験についても、同様に延期とのこと...
司法試験は毎年5月ですからね。さすがに厳しいものがあったのでしょう。
尚、注視していますが、今のところ司法書士試験延期等の発表はありません。
本来であれば、答練や模試が本格的に始まる時期です。
受験生の方にとっては、本当にイレギュラーな形になってしまっておりますが、基本的に置かれた状況は皆同じです。
どうか、めげずに日々を送っていただければと。

※2020年4月23日、とうとう司法書士試験についても発表がありました。
ただし、現段階では司法書士試験の中止や延期の発表ではありません。受験申請受付の延期だそうです...
従来通りにであれば、5月1日~5月18日迄の間に受験申請の受付が行わるはずだったところ、期限を定めず延期になった感じですね。
また、司法書士試験実施の可否は、5月中旬以降に法務省のHPで公表予定とのことです。
どうなってしまうのでしょうね...

受験申請は、早めに提出して若い受験番号を狙ったり、あえて期限ギリギリを狙ったりと、人によって色々駆け引きをするところでもあります。
おそらく今回もそのような受験生が少なからずいたのではないでしょうか?
なんともいたたまれないので、法務省にはなるべく早めに決断して欲しいですね。


※2020年5月1日、令和2年度の簡裁訴訟代理等能力認定考査にも新型コロナの影響が出始めたようです。
本試験同様、まだ中止や延期の発表はありませんが、令和2年5月8日(金)までに発送を予定していた考査受験票については、発送を一時見合わせるとのこと...
本試験程の影響ないにしろ、これに合わせて研修や勉強をしてきた司法書士にとっては大変な話です。
なにせ合格自体はそんなに難しくない試験ですが、それは特別研修からのストレートインだからこそという側面も多分にあるでしょう。
続報があればまたお知らせ致します。


※2020年5月18日、正式に司法書士試験についても、その延期が発表されました。
延期後の具体的な試験日程についてはいまだ未定のようです...
緊急事態宣言の一部解除等、事態はじゃっかんの改善が見られていたため、あるいは??と、思っていたのですが、安全面を優先した結果なのでしょう。
例えば、東京近郊以外は予定どおり実施とはいかない部類の試験ですので、致し方ない決断かと思います。
ただ、司法書士試験が中止されたわけではありません。
集中を切らさず頑張っていただければと。

write by 司法書士尾形壮一