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会社・法人登記

外国籍、海外居住者の方の会社設立登記について


いつもお読みいただきありがとうございます。



さて、今回は外国籍の方や海外居住者の方の会社設立登記のお話しです。
以前からそれなりにはありましたが、ここのところ更に増えてきたようにも思えます。
せっかくなのでこの機会に自身の備忘録も兼ね、諸々の注意点等をまとめておこうかと...

それでは、どのような内容なのでしょうか―



<目 次>



1.外国人が日本で起業しやすくなった?

以前、外国人が会社の設立をできなかったわけではありません。
ただし、それなりにハードルが高い面があり、外国人の起業を難しくしていたのも事実なのです。


例えば―

  • 代表取締役の住所の問題
  • ビザの問題


詳しくは後述しますが、なかなかに面倒でした。
ただし、法改正がなされ随分会社設立までのハードルが低くなりました。

もちろん無制限というわけではありませんが...



1-1.代表取締役の住所の問題

以前の取り扱いでは、 内国会社(日本国内)の代表取締役のうち、最低1人は日本に住所を有していなければならない』という決まりがありました。


ちなみにこれ、日本人であるかどうかの問題ですらありませんでした。
日本に住所があるという点が重視されていたのです。


もちろん、当時はそれ相応の理由があったのでしょう。
とは言え、グローバル化に伴いそうした取扱いは当然の如く廃止にー

結果、現在では例えば代表取締役の全員が海外に居住していても、日本において会社の設立登記を申請することが可能になったわけです。
もちろん、代表取締役全員が日本人でなくても大丈夫です。


これが平成27年3月の話しです。
そうです。わりと最近なのです...


ともあれ、手続上、面倒に思える点は幾つかあるものの、必ずしも日本に住所がなくても、例え外国人だけの役員構成であっても、会社設立登記は可能なのです。





1-2.ビザの問題

既述のとおり、住所自体は会社設立登記における根本的な問題にはなりません。
とは言え、すべての外国人が日本で会社を設立できるのか?と言えばそうとも限りません。


いわゆる、ビザの問題なのです。


厳密な話しをすると、会社を設立するだけであればビザの種類はあまり関係ありません。
なぜなら、会社設立登記を行う際に法務局に対しビザの種類を明示するわけではないからです(登記の添付書類にならない。)。
そのため、他に問題がなければ登記自体はできちゃうのです...


「なんだ、だったら別に問題ないじゃないか―」


仮にそう思われるのであれば、それは大きな間違いです。
会社の設立ができたとしても実際に活動できないのであれば何の意味もありません。
むしろお金の無駄です。
設立登記にかかる費用は決して安くはないですからー


ビザとはそういうものなのです。


では、どういうビザを取得していれば問題ないのか?
もしくは、活動に制限の無い在留資格は何なのか?


諸々、検証してみましょう。



1-3.活動に制限の無い(事業経営できる)在留資格等

次の在留資格に該当する方は、外国籍であっても特に気にする必要はありません。
会社設立後、日本人と同様に事業経営を行うことが可能になります。


具体的にはー


  • 永住者(特別永住者)
    ※ようするに「永住権(無期限に、その国に滞在し続けることが出来る権利)」を持った方ですね。


  • 日本人の配偶者
    ※在留資格としては日本人の配偶者等」がこれに当たります。


  • 永住者の配偶者
    ※在留資格としては「永住者の配偶者等」がこれに当たります。


  • 定住者
    ※ちなみに定住者とは、「法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者」を指します。永住者と似ているようにも思えますが、永住者の在留期間が無期限であるのに対し、定住者には期限がある等、その内容は大きく異なってきます。


  • 経営管理ビザ
    ※上記に該当しなかったとしても、「経営・管理」のビザを持っていれば、もしくは新たに取得すれば事業経営は可能になります。


  • 高度専門職1号イロハ(一部職種に限定)、高度専門職2号



以上が現状、制限なく日本で事業経営できる在留資格となります。
それ以外の在留資格、例えば留学や技術人文知識国際業務、技能や家族滞在の方などはそのままでは会社を作っても単独で事業を行うことはできません。
ハードルは高めですが、経営管理ビザ等を別に取得するか、日本人または在留資格を有するお知り合いを共同代表にするなどの工夫が必要になってくるのです。


住所やビザの問題等、確かに以前に比べれば外国人が日本で起業し易くなっています。
ただし、上記のような在留資格を有しないケースにおいては、いまだ高い壁があると言ってもいいのではないでしょうか―

※現状、司法書士九九法務事務所ではビザ等の申請業務の取り扱いは行っておりません。そのため、それに関するお問い合わせには対応しかねます。あくまで会社設立にあたってのいち情報としてご案内ですので、その旨、ご了承ください。




2.まとめ

さて、いつもより少し短めですが、ある意味、書き始めるとなかなか着地点を定まりにくい分野でもありますので、ごくごく触りだけのご紹介に留めました。
登記書類上の問題等、他にも色々あるにはあるのですが、それについては需要があれば別の記事にてご紹介させていただきます。

それでは今回はこの辺で。

write by 司法書士尾形壮一