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自己破産

破産は怖いものなのか?

さて、今回は"破産"についてのお話です。

どうしても怖いイメージが付きまとってしまう破産手続ですが、誤った情報がその原因になってしまっていることもしばしば―

そこで、"実際に破産は怖いものなのか?"をテーマに、埼玉県川口市以外でもこれまで個人の方の破産手続を総計で200件前後手掛けてきた経験を元に、専門家である司法書士がお送りさせていただきます。


<目 次>

1.破産とは? 

"破産"とは何か?
どんな手続でどんな効果があるのか?

破産の怖さについて語る前に、まずはそれが自体がどういうものなのかを軽く検証してみましょう。
正しく理解するだけでも、これまで持っていた破産のイメージが変わるかもしれません。


言葉としての"破産"の認知度は大したものですが、内容についてはまだまだ不十分でしょうし、それ故に起こる問題も見受けられます。

果たしてあなたが思い描く"破産"と、実務上の"破産"とのギャップとは―


1-1.破産、自己破産、倒産、何が違うの?

どれも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

  • 破産(はさん)
  • 自己破産(じこはさん)
  • 倒産(とうさん)

そして疑問に思っていた方も多いのではないでしょうか?

  • "破産"と"自己破産"は違うもの?
  • だったら"倒産"は何?


言い方の違いなのか?
それともそれぞれ別の意味があるのか?

ややこしいですよね実に。

かく言う僕も仕事で破産手続を行うようになるまでは、お恥ずかしながらこれらの区別があまりついていませんでした―


このように色々な呼び方がある状態のままだと、果たしてそれがどれについての説明なのか分かりにくいと思います。

ですので、まずはその疑問を解消していくこととしましょう。


  • "自己破産(じこはさん)について"
    まず、自己とは、"おのれ"や"自分"を表す言葉です。
    そのため自己破産は"自分の破産"だと思われがちですが、厳密には"自分で行う破産"を意味します。
    そうなると自分で行わない破産があるのか?
    と、疑問に思われるかもしれませんが、実際にあるんです。
    例えば法人自身ではなく、法人の取締役や理事などが行う破産を自己破産に準じて「準自己破産」と呼ぶことがありますし、債権者側から行う破産を「債権者破産」と呼びます。
    ただ、この辺の詳細をここでしっかり説明するとなると、内容が複雑になり過ぎてしまい、むしろ破産の理解から遠のきかねません。
    ですので、それにつきましては需要があればまたの機会に―
    あくまでここでは、自己破産は自分で行う破産なんだと理解していただければ結構です。
    尚、自己破産は個人に限られるものではなく、法人が対象になることもあります。
    便宜、それらを区別するために「個人破産」や「法人破産」と呼んだりもしますが、正確にはどちらも自己破産に違いありません。
    ようするに自身の借金を自分で弁護士や司法書士に頼んで行う破産を自己破産と呼ぶわけです。


  • 破産(はさん)について
    続いて"破産"についてです。
    正直、なんとも説明しにくいのですが、破産と自己破産が同じものなのかと問われれば、全く同じものではないと答えます。
    あくまでイコールと言うわけではなく、破産という手続の一種が自己破産なのです。
    そのため、自己破産だけでなく上記で軽く紹介した準自己破産も債権者破産もすべて破産に含まれます。
    破産は手続の総称とでも言いましょうか―
    "自己"でない破産もその他の破産も全部ひっくるめ、それらを"破産"と呼ぶわけです。
    したがいまして、一般個人が行う破産は、ほぼすべて"自己破産"と考えていても、大きな弊害はないでしょう。


  • 倒産(とうさん)について
    最後に倒産についてです。
    実のところ、この説明が一番難しいです。
    "倒産"は一般には法人に対して使われる文言ですが、個人事業者に使えないわけでもありません。
    また、法的に明確な定義があるわけでもありません。
    なんと、ないのです―
    ようするに、倒産は法律で定められているものというよりかは、単なる一般的な概念に過ぎないわけです。
    そのため、「倒産=破産」でも「倒産=自己破産」でもありません。
    ちなみに倒産とは、単に借金を支払えなくなった状態そのものを指すと言われています。
    例えば、とある会社が半年の間に不渡りを2回出したとしましょう―
    もはや首が回らない状態ですね。
    何らの破産手続を行っていなくとも、その事実だけで"倒産"したと言われたりもします。
    夜逃げした会社なんかがいい例です。
    したがいまして、破産する前であっても実質的な支払い不能な状態に陥ってしまった法人などを指して"倒産"と呼ぶわけです。
    まあ、ようするに破産とは別物ですし、僕なんかは滅多にこの文言は使いません。
    分かりにくくなるだけですから。


1-2.破産の目的について

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では次は破産の目的についてです。
相応のお金と時間と手間をかけてまでわざわざ破産手続を行う理由はとは?


もちろん"とある目的"があるからです。


破産がどういうものなのか難しい言葉でご説明するよりは、その目的から逆算して考えた方が分かり易いと思います―


まず破産の目的を簡単に言うとするならば、それは"借金からの解放"でしょう。


本来、借りたお金は返さなければなりません。
道徳的な意味でもそうでしょうが、本質的には、いつまでにちゃんと返すという"契約(約束)"をしているからです。

何の契約も約束もしていないのであれば、それは借金ではありません。
単なる贈与です。

ちゃんと契約(約束)をしているのであれば、それを守る"責任"が生じます。
この責任そのものを法的にとっぱらうことこそが破産の目的なのです。


ちょっと分かりにくくなってきましたか?
もう少し我慢して着いて来てください。

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では、どのようにして法的に有効な契約から生じた責任をとっぱらうというのでしょうか?


もちろん、そんなことができるのは裁判所ぐらいのものです。
とは言え、実際はそんなに大それたことをしてもらうわけでもありません。

ある決定を裁判所から貰うだけなんです。


その決定を"免責決定(めんせきけってい)"といいます。
『本来であれば借金を返済すべき(責)任を(免)除する(決定)』とでも言いましょうか―


この免責決定を貰う事こそが破産の目的であり、結果として、それで借金から解放されるのです。
本当に、ただそれだけなんです。


尚、これで破産の意味も正しく理解できたのではないでしょうか?


破産とは、裁判所から免責決定を得るための裁判上の手続です。
結果、借金の支払いを法的に免除されるというわけです。



2.なぜ破産には怖いイメージがあるのか?

実際の顧客を見ていても、そう感じることが多いです。
必要以上に破産を怖がっているなと―

裁判所での手続ですので、重苦しく感じるのは理解できます。
ただし、本来、大きな恐怖を覚えるようなものではないのです。


そこで僕なりにそうなってしまった原因を調べてみたところ、かなり簡単にその答えらしきものに辿り着くことができました。

ちなみに、なぜそうなったのかまでは分かりません。
分かりませんが、一般になぜか破産には次の言葉が定着しているようなのです。


"財産を全部失うこと"


インターネットで調べても、辞書で調べても、表現の違いこそあれ、いの一番にこの趣旨の言葉が出てきます。

怖いですね。
こう言い切られてしまうと確かに怖いです。

破産手続に精通しているであろう僕ですらそう思ってしまいます。

これに対する世間の反応は程度の差こそあれどもおそらく―

  • 財産なんて無いから大丈夫か―
  • 家財もすべて失い、路頭に迷ってしまうのではないか?


と、言うものであり、仮に後者の感想を持った場合には、破産という手続に大きな恐怖を覚えてしまうでしょう。


3.本当に破産で財産を全部失ってしまうのか?

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"財産"をどのように捉えるのかにもよります。
また、財産状況やその人の置かれている状況にも少なからず左右される面もあります。


しかし、それでも破産ですべての財産を失うと言うのは考えにくいです。


破産はさすがにそこまで手厳しいものではありません


破産の目的については既にお話ししたとおり、裁判所から"免責決定"と言う名の、『借金を支払わなくてもよいよ!』というお墨付きを貰うことでした。


とは言え、もちろん支払える借金は正式な破産手続にのっとった方法(配当と言います。詳しくは後記参照ください。)で支払った後でないと、免責決定は出されません。

また、現金や預金では支払えなくとも、お金に変えることができる財産が他にあるのであれば、それで支払うこととなります。


当然でしょうね。
でないとかなり虫の良い話になってしまいますし、何より債権者(お金を貸した側)があまりにも不憫です。


お金を貸した友人が破産してしまったけれど、その後すぐに街で高価な車を乗りまわしていたとしたらどう思います?

裁判所もさすがにそうした状況は見過ごせないというわけです―


3-1."配当(はいとう)"という手続

おそらくこの配当手続の拡大解釈が、"財産を全部失う"というイメージを一般に植え付けた元凶であると思われます。

確かに"配当"には財産を失う一面がありますから―


配当とは、破産管財人が財産を現金化(売却等)し、それを債権者への返済に充てる手続を言います。
いわゆる、「返済できる借金は、ちゃんと返済しよう」という破産理念みたいなものの表れなわけです。


ただし、心配せずともやたらめったらに配当手続が行われるわけではありません。
ちゃんと破産手続後の生活を考えた上での基準が設けられています。


考えてもみてください?
身の回りにお金に換えられるものがどれくらいありますか?

今や引越し費用よりも、残置物処理費の方が高くつくことも珍しくない時代です。
よっぽどの物でもない限り、衣服や家具に価値はありません。


少なくとも破産によって身ぐるみをはがされるような事態にはならないわけです。

また、その対象となる財産もあくまで限定的なものになっています。
お金に代えることができるものであったとしても、その対象にならないこともあります。

では、次はどのような財産が配当手続の対象になるかを見ていきましょう。


3-2.破産手続上で財産とみなされるもの

なんでもかんでもが破産手続上で財産とみなされるわけではありません。
むしろだいたい決まっています。

代表的なものに―

  • 現金
  • 預金(定期等も含む)
  • 保険(保険契約者であるもののみ)
  • 自動車・バイク
  • 有価証券(株式、投資信託、FX、ゴルフ会員権等)
  • 不動産
  • 退職金
  • 手続前の相続財産
  • 貸付金、売掛金
  • 積立金(社内積立等)
  • その他、高価品(購入金額が20万円を超えるようなもの)


尚、これらの財産の注意点、詳細等については次の記事を参照ください。

「どのような場合に自己破産すべきなのか?/司法書士九九法務事務所HP」
https://99help.info/blog/post_10/


こうやって書き出してみるとたくさん該当するようにも見えるでしょう。
ただし、これらはあくまで財産に成り得るというだけであり、実際にそのすべてが処分対象になるわけではありません。

該当するものがあるとするならば、今度はその財産上の価値が問題となるのです。



分かり易いところで言うと、掛捨ての保険等です。
説明するまでもなく、それらに財産上の価値はありませんよね?

なにせ掛捨てと言っているぐらいですから―

それが自動車保険であろうと、医療保険であろうと同様です。
種類ではなく、まず財産上の価値があるかないかで判断するわけです。


また、銀行口座を一つも持っていない人はまずいないでしょう。

ただし、だからと言ってその預金額が多いとは限りません。
むしろ、破産を検討している人の預金額は少ないのが普通です。

よっぽど大きな借金額にでもなっていない限り、仮にあれば支払っているでしょうから―

そのような残高が少ない預金口座も、同様に処分の対象にはなりません。


破産手続上で財産とみなされる基準があるように、今度は処分対象になるかならないかの基準も存在するわけです。


尚、上記以外の家財などが対象になることは稀です。
裁判所も我々専門家も、概ねこれらを基準に財産の有る無しを判断しています。


3-3.基準は"20万円"の価値があるかどうか

処分対象になるかならないかの基準についても少し話しておきましょう。


単にそれは"20万円"です。
この際、難しいことは考えず、20万円を超える価値の財産があるかどうか?


まずはそれだけを考えましょう―

20万円を超えない財産であれば、自動車(カーローンがある場合を除く)であろうと、掛捨てではない保険であろうと、株式であろうと、処分の対象にはなりません。

それらを保持したまま破産ができるわけです。
何ら手続に支障はありません。


また、処分の対象になってしまっても、実際には処分されずに済む場合もあります。
(とは言え、100万円を超える価値のものはまず処分の対象になります。)

その価値からして、さすがに不動産については、そのほとんどが処分対象になってしまいますが、一般にその他の財産は破産後も処分されないケースが多いわけです。


ちなみに家具、家電等についてはその価値を気にする必要はほぼありません。
よっぽどの高価品だったり、何かしらの事情でもない限り、次の事項に該当するためです―


3-4.差押禁止動産

条文を見た方が分かり易いと思いますので、以下、ご確認ください。
もちろん条文の理解というよりかは、イメージしてもらう趣旨ですので、軽く眺める程度かまいません。

(差押禁止動産)
民事執行法第131条
次に掲げる動産は、差し押さえてはならない。
1 債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具
債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料
標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭
4 主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物
5 主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物
6 技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)
実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの
仏像、位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物
債務者に必要な系譜、日記、商業帳簿及びこれらに類する書類
10
債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物
11
債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具
12
発明又は著作に係る物で、まだ公表していないもの
13
債務者等に必要な義手、義足その他の身体の補足に供する物
14
建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品


簡単に言うと、裁判上の手続で差し押さえることができない財産の説明です。
これらは人が最低限の生活を行う上で必要なものと考えられているためです。

当然、よっぽどの理由がない限り、破産手続上でも処分の対象にはならないというわけです。


結構多いと思いません項目が?
破産によって"財産を全部失う"ということを明確に否定している条文例です。

これだけをとっても、破産によって財産を全部失うことは考えられないということが分かるのではないでしょうか?


4.間違った破産のイメージ

58389c679501bd91619c029ba29b721d_m.jpg"破産は怖いもの"であるとたらしめる原因は、何も上記のように"財産を全部失ってしまうのではないか?"と言うことだけではないでしょう。

他にもその原因となりそうなものを色々と耳にする機会が多いです。


例えば―

  • 破産すると戸籍に記載される
  • 勤務先や近所に人にばれる
  • 選挙権がなくなる
  • 会社を設立できなくなる
  • 引越しができなくなる
  • 海外旅行ができなくなる
  • 自分以外の家族にも影響が及ぶ(迷惑がかかる)


ただし、これ、そのほとんどが明らかに間違っているのです―


4-1.破産の間違ったイメージを検証

  • 破産すると戸籍に記載される
    明らかに間違ったイメージの典型です。
    何も心配いりません。皆さんがよく目にする戸籍や住民票に破産の事実が記載されるようなことは一切ありません。
    地域によって取扱いが異なるようなこともないです。


  • 勤務先や近所の人にばれる
    まずばれません。
    司法書士や裁判所の関係者は、守秘義務という法律でがんじがらめにされています。
    誰かにばらすメリットがないと言うか、むしろそれは笑えないほど大きなデメリットになってしまうのです。
    もちろん、司法書士九九法務事務所でも個人情報の漏洩がないよう最新の注意を払っております。

    「セキュリティ対策はどうなっていますか?/司法書士九九法務事務所HP」
    https://99help.info/faq/post_57/


    そのため、仮に破産の事実が他者にばれたとするならば、その原因はほぼ2つしか考えられません。
    "つい自分で喋ってしまう"場合と、"勤務先や近所の人が債権者になっている"場合です。
    前者は言うまでもないでしょうから、後者について説明します。
    破産の事実を知り得る人間は、裁判所の関係者(管財人を含む)と司法書士等破産手続の受任者、それとお金を借りた債権者です。
    したがって、勤務先や近所の方からお金を借りているような場合には、直接の当事者になりますので、破産の事実がばれるばれない以前の問題になってしまうわけです。


  • 選挙権がなくなる
    そんなことは一切ありません。
    破産で国籍を離脱したりはしません。まったくのデマです。


  • 会社を設立できなくなる
    破産後に会社を設立する人はたくさんいます。
    これもデマです。
    ただし、取締役等の役員に在任中に破産してしまうと、その資格を失ってしまいます。
    これは会社と役員との委任契約自体に問題が生じてしまうためです。
    結果、役員を退任せざるを得なくなりますので、その点には注意が必要です。
    とは言え、破産手続後には再び役員になることも、新たに会社を設立することも可能というわけです。


  • 引越しができなくなる
    破産手続中やその後であっても引越しは可能です。
    そうでないと破産手続で自宅を手放さなければならない人は路頭に迷ってしまいます。
    ただし、厳しめの保証会社が付いている賃貸物件などは、入居審査の段階で弾かれてしまうことがあります。
    それは破産うんぬんの問題というよりかは、個人の信用情報(ブラックリスト)の問題からくるものなのです。


  • 海外旅行ができなくなる
    そんなことはありませんし、そんな制限はありません。
    お金や時間の問題等を別にすれば、破産をしても行きたい国に自由に旅行することが可能です。
    尚、破産手続中、もしくはその直前の海外旅行(仕事の出張は除く)は厳禁です。
    説明するまでもないでしょうが、これは行けないというわけではなく、行くべきではないという趣旨です。
    真摯な姿勢で手続と向き合いましょう。
    でないと裁判所や債権者の心証を著しく悪くしてしまいます。


  • 自分以外の家族にも影響が及ぶ(迷惑がかかる)
    心情的な面で言うと、家族に迷惑がかからないわけがないでしょう。
    自分の家族が破産して喜ぶ人は絶対的少数です。
    ただし、実体面に関しては何の影響もありません。
    夫が破産するとして、妻名義の財産にも仕事にも影響はありません。
    もちろん子供についても同様です。
    直接進学に影響するようなこともありません。
    破産手続上、対象となるのはあくまで夫の借金であり夫の財産です。
    他の家族がどういう状況にあるかは、問題になりません。
    尚、破産手続前に悪意をもって夫の財産を妻名義にした場合などは意味が異なります。
    それは"隠匿"と言って、財産を隠しただけで、妻の財産になったわけではありません。
    最悪、破産ができなくなってしまうこともありますので、ご注意を。



5.破産は必要以上に怖がるものではなく反省するもの

破産の怖さについて検証してきましたが、一度ついてしまったイメージを払拭するのは容易ではないでしょう。

ちょっと今回の趣旨から外れてしまうかもしれませんが、破産は多少怖がっているぐらいがちょうどいいと思います。
安易に行っていいものでは決してないですから。

ただし、極端に破産を怖がり、悪い状況を放置してしまうことだけは避けましょう。

  • 危惧している点が勘違いかもしれません
  • 元より破産をしなくても済む状況かもしれません

放置し、状況が悪化してしまえば、助かるものも助からなくなってしまいます。

破産を必要以上に怖がるのではなく、まず専門家に相談ください。
それだけで解決する部分も多くあります。


借金問題は、そうなってしまったことを反省しつつ、いち早い解決を目指すことこそが最良の結果をうむのです―