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自己破産

破産の免責許可を受けにくい借金内容(ギャンブル等)について

いつもお読みいただきありがとうございます。


司法書士の繁忙期は3月と年末(11月、12月)と勝手に思い込んでいますが、おかげさまで今年も忙しくさせてもらっております。

そのため、ブログの更新頻度は...
今後は反省し、もう少し頑張らせていただきます...



さて、今回は破産の"免責"についてのお話です。


不安や恐怖を憶えることの多い破産手続、その理由はひとえに手続の分かりにくさからくる部分が大きいと言えます。


  • こんなにひどい借金内容なのに破産できるのか?


少しでも当ブログがそのようなお悩みを持っている方の励みなれば幸いです。




<目 次>




1.破産の免責を受けるにあたって障害となる行為

まず、破産の"免責"そのものについての説明は、次のブログ記事を参照ください。
破産は"怖い"ものなのかを検証した過去記事となっております。


「破産は"怖い"ものなのか/司法書士九九法務事務所HP」
https://99help.info/blog/post_59/



そのため、あくまでここでは破産手続の最大にして唯一の目的でもある、"免責"の許可を裁判所からもらうにあたって問題となる行為や、その注意点等をテーマに話しを進めさせていただくことにします。



1-1.免責不許可事由とは

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破産手続を進めるにあたって、国や裁判所が嫌う行為が幾つかあります。


簡単に言うと、それらを総称して"免責不許可事由"と言うのですが、中でも皆さんがイメージし易いのはやはりギャンブルでしょうね。


破産手続は個人再生手続等とは異なり、財産や収入面だけではなく、"借金の理由"についても重視されます。

そのため、免責不許可事由に該当する行為が多く存在したり、その種類は少なくとも、一つの内容が酷過ぎたりするような場合には、最悪、破産の免責許可が下りないようなケースもあるのです。



免責不許可事由とは、書いて字のとおり"破産の免責を不許可にする事由"と、言うわけなのです。




1-2.破産手続で確認される免責不許可事由の種類

ひとことで免責不許可事由と言っても、実は結構な種類があります。


そのため、まずは実際に破産の申立を行うにあたって、どんなことを裁判所に対して報告しなければならないかをご紹介することにしましょう。


例えば―


  • 過去10年間にキャバクラやスナック、その他の風俗店などに行ったこと
  • ギャンブルをしたこと(パチンコ、競馬、競艇、競輪、オートレース等)
  • 投資・投機をしたこと(株式、投資信託、FX、不動産投資、先物取引等、職業の場合を除く)
  • 過去5年間のうちに海外旅行に行ったこと(会社の出張等は除く)
  • 過去5年間のうちに20万円以上する高価品を買ったこと
  • クレジットなどで買った商品をお金に換えたこと(換金行為)




これら行為の有無を問われます。


尚、仮に該当するものが有るようならば、回数や時期、使った金額や、種類等の詳細も問われることになります。


ん?でもこれらは、そもそも悪い、責められる行為なの??




そう思われる方も多いでしょう。

換金行為はちょっとあれですが、それ以外は家庭内での問題を別にすれば、本来、誰にどうこう言われる筋合いはないはずです。
当然、法的にも認められていることですし、基本的には誰に迷惑をかけるものでもありません。



にもかかわらずどうして??



勘違いし易いところでもありますが、なにも行為自体を否定されているわけではないのです。


問題視されるのは行為そのものではなく、破産をしようとしている者が当時の資産・収入に見合わない過大な支出をしていないか?それによって借金を負ったのではないか?と、言う点なのです。

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改めて考えてみてください。



例えばギャンブルや投資が一般家庭に必須なものでしょうか?
それらを"業"にでもしていない限り、そうではないはずです。


あくまでそれらは娯楽であり、遊興でしかありません―



娯楽や遊興が駄目なのではなく、それを原因に借金をし、あまつさえ破産をするのはどうなの?
そういう話なのです。



結果、当然の話ですが、仮に免責不許可事由に該当する行為が過去に存在したとしても、それが直接的な借金の原因になっていないのであれば問題視されることもありません。



尚、上記は幾つかある免責不許可事由の内、一般の方に該当するケースが多く、また、想像し易いものを抜粋したものです。

他の免責不許可事由についても詳しく知っておきたいという方は、"破産法第252条第1項"を参照ください(需要があるようならそのうち記事にします。)。




1-3.ギャンブルを原因に破産できるのか?

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では、借金を負った原因があからさまにギャンブルだったような場合では、もはや破産することは難しいのでしょうか?


僕の体感的な話をさせてもらうと、免責不許可事由のいずれかに該当するケースはそんなに珍しいものではありません。


むしろ軽いものであればよくあるとさえ言えます。



重いものもたまに...



それこそ、これまでに借金の原因がほぼギャンブルだった方も、キャバ嬢に熱を上げて借金をしてしまった方も、その他、換金行為を総計で200万円近く行ってしまっていたような方さえいました。


  • そんな彼等は破産できなかったのか?



結論からするとできました。
かなり大変な作業にはなってしまいましたが、どうにか免責の許可を得ることができたのです。


ようするにギャンブルが借金の主な原因になっていたからと言って、必ずしも自己破産できないというわけではないのです。



もちろん簡単ではありませんし、それなりのペナルティーが生じることもあります。



例えば、手続の詳細についてはここでは控えさせていただきますが、自己破産の手続が"管財事件"に移行してしまい、想定以上の期間と費用がかかってしまうようなことも起こり得ます。



また、"反省文"の提出を促されるような事態もしばしば...



ただ、それでも破産できないよりはましだと思いませんか??


まだまだやれることはあるのです―



1-4."裁量免責"という手続

免責が不許可になる事由に該当するにも関わらず、破産の免責を受けることができる場合がある―


それはなぜか??


もちろん、その旨の法律があるからです。
なにも裁判所は気まぐれや好き嫌いで判断しているわけではありません。


以下にその一部をご紹介致します。


<破産法第252条 第2項>
~同項各号(免責不許可事由)に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。



これを"裁量免責"と言います。

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裁判所の裁量で免責許可の可否を決定し得るというわけです。

条文にもあるとおり、これと言った一般的な基準はありません。
あくまで破産に至った経緯やその他一切の事情を加味し、裁判所の裁量で決められます。



その上で一言。


  • 破産手続で免責許可決定を受けられない事態は極めて稀です


よっぽど免責不許可事由の程度がひどいか、破産手続に非協力的(裁判所の呼び出しに応じない、予納金を納付しない、追加書類の提出をしない等々)であったり、虚偽の申告を行う等しない限り、そうそう起こり得る事態ではありません。


もちろん、決定が裁判所の裁量である以上絶対と言うわけではありませんが、破産者自身が深く反省し、真摯な態度で手続に望めば、たいていの案件は免責許可決定を得ることが可能です。


必要以上に怖がるのではなく、早期の解決を目指すことが一番と言うわけです。




2.もし破産できなかったらどうなる?

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縁起でもない話ではありますが、やはり気にはなるところでしょう―


端的に言うと、借金はなくなりません。


裁判所から免責許可決定をもらえない以上、当然の帰結と言えるでしょう。



では、もはや路頭に迷うしかないのでしょうか...
元の借金生活に逆戻りしてしまう...



そのように諦めるのはまだ早いです。


まだまだ十分に手は残されています―



2-1.個人再生等、他の解決方法

もちろん、安定した収入等、個人再生の要件を満たしている必要はありますが、仮に破産の免責許可決定が下りなかった場合は、借金解決の手続を切り替えることも可能なのです。

尚、個人再生の詳細につきましては、こちらの記事を参照ください。


「個人再生手続(小規模個人再生、給与所得者等再生)/司法書士九九法務事務所HP」
https://99help.info/service/bankruptcy/post_47/

  • 破産できないのに、個人再生はできるの??



そう思われる方もいるでしょうが、両手続は求められる要件が異なるのです。

前者は借金の内容を、後者は収入の安定性(実際に支払えるかどうか)を重視します。
そのため、必ずしも破産ができなければ、個人再生もできないとの結論には至らないというわけです。


仮に破産できなかったとしたのならば、まず検討すべき手続の一つでしょう。



その他、僕自身の経験はありませんが(携わった案件はすべて免責許可決定を無事受けているからです。)、裁判所への不服申し立ても可能性としては存在します。



"即時抗告"というやつです。



具体的には高等裁判所でもう一度免責の判断をし直してもらうこととなります。


ただし、よほどおかしな内容でもない限り裁判所の決定が覆るものではありませんので、過度の期待は危険かもしれません。


やらないよりはやった方がいいとは思いますが、現実的には並行して他の問題解決手段を模索すべきと言えるのではないでしょうか。


尚、この即時抗告ができる期間は、免責不許可決定の時から1週間とかなり短いので、その点は要注意です。



2-2.破産も個人再生もできない場合

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あまり考えたくはありませんが、ここまで説明しておいてこれに触れないわけにもいきません―



もはや、さすがにお手上げ状態で、なす術なしなのか?



状況的にはかなり厳しいことに違いありません。
それは事実です。



とは言え、自暴自棄になる必要はありません―

  • まだ"任意整理"で大幅な借金の減額ができる可能性が残されています




通常の状態であれば、任意整理での借金の大幅な減額はそうそう望めるものではありません。



ただし、破産申立を一度行い、その開始決定を受けている状態なら意味が異なります。

以下のような理由により、それが可能となることがあるのです―


  1. 自己破産の開始決定という事実により借金の支払いが不能だということが客観的に明らかになる
  2. そのため、債権者側で破産手続が終了しなくとも損益処理(貸倒処理)が一部可能となる
  3. うした状況で今後も支払いの催促を続けるメリットが債権者側に少ない



ようするに破産はできなかったとしても、その申立てを行うだけでそれなりの効果はあるのです。


確かに結果は残念だったかもしれませんが、その行為が全くの無駄になるわけではないのです―



では、最後に任意整理もうまくいかなかった場合にも触れておきましょう。

打てる手段を出し尽くした場合ですね。



今度こそ一生借金と付き合っていくしかないのか??



そんなことはありません。

なぜなら借金にも"時効"がありますから。



訴訟の有無や借入先にもよりますが、5~10年で借金は時効となります。


このように、時間はかかるかもしれませんが、常になにかしらの借金解決の手段が残されているのです。



3.まとめ

借金問題全般に言えることですが、最もよくないのは自暴自棄になることです。

その気があれば、まずなんとかなります。


借金で夜逃げをする必要なんて全くありません。
自殺なんてもっての他です。


ほとんどすべての借金問題は解決が可能です。


これは駄目だと自分で判断するのではなく、一度、借金の専門化へ相談してみてください。


それではこの辺で。

write by 司法書士 尾形壮一