取扱業務

相続の手続

相続放棄手続


相続放棄はお亡くなりになられた方の最後の住所を管轄する家庭裁判所で行う手続です。


面倒なようにも思えるかもしれませんが、司法書士九九法務事務所は一般的な司法書士が得意とする不動産登記手続だけではなく、相続放棄等、裁判所を利用するような各種手続の取扱い実績が多くあります。

また、それ故に多くの選択肢をご提案できますので、より良い着地点を一緒に考えていきましょう。



<目 次>



1.相続放棄手続とは

包括承継(ほうかつしょうけい)という言葉をご存知でしょうか?


巷の辞書等では、権利・義務の一切を承継すること』と表現されていることが多いと言えるでしょう。
そして、相続はまさにこの"包括承継"に該当するわけです。


それでは、もう少し分かり易く説明していきます。


相続が発生すると、相続人はお亡くなりになられた方の遺産を相続します。
この点に問題はないでしょう。


例えば、現金・預金・不動産などが一般的であり、その他、株式等の有価証券なども同様です。


ただし、相続の対象はそれらの"権利"(遺産を受け取る権利)だけに限られるものではありません。
"義務"も合わせていっさいかっさいすべて相続するのです。


では、具体的にその"義務"とは何を指すのでしょうか―


例えば何かしらの支払いを負う義務です。
最も想像し易いのは、やはり借金でしょう。
また、滞納税金や光熱費、未払い家賃や施設利用料等も当然ここに含まれてきます。

昨今、特に老人ホームや病院の支払いなどが滞っているようなケースをよく目にすることがあります。



これらも当然に相続の対象になるのです。
なにせ、相続は包括承継ですので...



いわゆる、『相続=貰える』だけではなく、『相続=支払い』でもあるわけです。


しかも、これ、ある意味、自動的です。
相続人である以上、望む望まないは関係ありません。
遺産の内容を問わず、一時的にはそのすべてを相続してしまいます。



相続放棄とは、そうした状況に対して「No!」と言える正当な権利なのです。



ちなみに、相続放棄手続が無事完了すると、元より何も相続していない状況になります。
借金の支払義務を負うこともありませんが、不動産等のプラスの財産を相続することもできません。

このような法律効果を遡及効(そきゅうこう)と呼んだりもするのですが、相続放棄はその代表例とも言える行為なのです。


日本語として違和感をおぼえるかもしれませんが、「最初から相続人ではなかった」という帰結が相続放棄の法律効果なわけです。




2.相続放棄の注意点

相続放棄を行う上での注意点をいくつかご紹介致します。


  • 必ず家庭裁判所で行う手続
    たまに相続人間での遺産分割協議の結果を相続放棄と勘違いされている方がいます。

    "何も貰わなかったのだから、借金を支払う理由もない"

    一見、筋が通っているようにも思えますが、残念ながらそうはいきません。
    また、遺産分割協議書の中で借金について相続する者を決めていたとしても、対借金先においてはあまり意味をなしません。
    あくまでそれは相続人等の事情でしかないからです。
    それは相続放棄ではありません。
    単なる"遺産放棄"です。
    そのため、家庭裁判所で手続をした記憶がなければ相続放棄は完了していません(いつ借金の請求を受けるか分かりません。)。
    ご注意を。



  • 相続放棄には期限がある
    相続放棄は3ヶ月以内に手続を行う必要があります。
    ただし、単に死亡日からではありません。

    『自己のために相続の開始があったことを知ったとき』から3カ月という趣旨です(これを熟考期間といいます。)。

    要は死亡した事実を知らなければ進行しないという意味でもあります(死亡日から3カ月経過後に相続放棄をする場合は、死亡の事実を知らなかったことを疎明することになります。)。

    当該期間経過後の相続放棄について認められないのが原則です。
    ただし、債務(借金)の存在を全く知らなかった場合等、特別な事情がある場合には3ヶ月の期間経過後の相続放棄が認められることがあります。
    すぐに諦めるのではなく、まずは急いで専門家への相談を。



  • ケースによっては他の親族に迷惑がかかる場合がある
    少し難しい話になります。
    記述のとおり相続放棄の効果は、「最初から相続人ではなかった」というものです。

    仮に夫が死亡し妻と子供が皆相続放棄としたとしましょう―

    イメージ的には無事終了という感じでしょうが、必ずしもそうとは限りません。
    最初から相続人ではなかったということは、あくまでその法律効果上では、夫には妻も子もいなかったことになります...

    となると?

    そうです。
    相続人がいなくなるのではなく代わるわけです。

    具体的には、このパターンでは夫の両親が健在であれば両親が、既に死亡しているのであれば、その兄弟姉妹(既に死亡している兄弟姉妹がいるのであればその子等が)が相続人になると...
    知らなければ、結構面倒な事態になりかねませんが、最初からそうなることが分かっていれば、事前に色々な対応も可能になってくるでしょう。



  • 『借金=相続放棄』という認識は間違い
    相続放棄をするしないは相続人の自由です。
    ただし、借金があるからといって必ずしも相続放棄に直結するわけではありません。
    漏れている財産があるかもしれませんし、借金自体に過払い金が発生(借金がなくなるどころか払い過ぎた利息が戻ってくるかもしれません。)していることだってあり得ます。
    仮に調査に時間がかかりそうであっても、初動さえ早ければそれほど心配する必要はありません。
    相続放棄の期間伸長の申立をうまく活用する等、柔軟に対応すべきなのです。



  • 却下されればそれまで
    相続放棄手続を安易に自力で行うのはあまりお勧めしません。
    家庭裁判所で行う相続放棄手続ですが、仮に却下されてしまうと再度の申立てができなくなってしまうからです。


手続そのものについては、そう難しくはない相続放棄手続ですが、実は相応に幅広い法律知識を要します。
また、ここに挙げた注意点等は、あくまで代表例です。

他にも注意すべき点は多く存在します。

気になる方は以下のブログ記事も参照いただければ―


「相続放棄(ブログ)/司法書士九九法務事務所HP」
https://99help.info/blog/cat35/





3.手続の流れ

司法書士九九法務事務所に相続放棄をご依頼いただいた際の手続の流れについてご説明致します。

  • 面談もしくは訪問によるご相談
    ご依頼者様とは司法書士が必ず一度は面談させていただきます。
    法律上、我々司法書士に本人確認義務が課せられているという点もありますが、それ以前にメールや電話だけではどうしても伝わりにくい部分があるからです。
    尚、その際、分かる範囲でかまいませんので借金の請求を受けているようなご事情があれば催告書等の書類を、遺産の中に不動産や預金等があればそれらの関係書類ご用意しておいて下さい。


  • 相続放棄に必要な書類の収集
    相続放棄をするのに必要な、戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)などを収集します。
    基本的に司法書士が全て代わりに取得することが可能です。


  • 相続放棄の申立書の作成
    聴取した内容と取得した戸籍謄本等の情報を元に家庭裁判所に提出する申立書や場合によっては別に上申書(経緯報告書)等を作成致します。
    尚、この段階まで至りますと、実費も確定しているため正確な見積書を提出させていただくことが可能となります。


  • 家庭裁判所への申立て
    裁判所書類作成者兼送達受取人として司法書士が裁判所に申し立てを行います(家庭裁判所で代理人になれるのは弁護士だけであり、他に一部の司法書士だけが書類作成者になることが認められています。税理士や行政書士などにはできない専門性の高い業務です。)。
    相続放棄手続は特段の事情でもない限り依頼者が直接家庭裁判所に赴くことはありません。
    すべて司法書士を介し郵送のやり取りだけで終えることができます。
    そのため、遠方の裁判所であってもご依頼を受けることが可能です。


  • 照会書の回答
    相続放棄の効果は絶大です。
    そのため家庭裁判所もしっかりとした確認を行います。
    その内容としては相続放棄自体が本心であるかどうかと、なりすましを防ぐ意味での申立内容の再確認です。
    そんなに難しいものではありませんが、司法書士がしっかりサポートさせていただきます。


  • 相続放棄申述受理証明書の交付
    相続放棄申述受理証明書の交付を受ければ手続はすべて終了となります。
    申立書の作成だけに限らず手続終了までフルサポートさせていただきます。



4.司法書士報酬

こちらを参照ください。