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会社・法人登記

NPO法人を知ろう


いつもお読みいただきありがとうございます。



今年も残すところ3ヶ月と少し。。。
そう考えると恐ろしくなってきますね。
司法書士の業界にとって、9月は準繁忙期とも言える時期なので、余計に時間の流れが早く感じてしまうような...
ともあれ、やり残しがないよう頑張っていければと思っています。



さて、今回はNPO法人について少し。

もはや全く聞いたことがないという方は少ないのではないでしょうか?
それなりに認知度は高いですよねNPO法人は。

ただ、だからと言って、詳しく説明できる方もそう多くはないと思います。


"NPO法人"


それはいったいものいったものなのでしょうか―


<目 次>

1.NPO法人とは

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ともあれ、まずはここからです。


NPO法人と聞いて、まず何を思い浮かべますか?
おそらくボランティア団体をイメージされる方がほとんどなのではないかと―

最近ではプロスポーツクラブがNPO法人を所有してることも多いので、あるいはファンの方などはそちらをイメージされるかもしれませんね。



そんなNPO法人ですが、歴史自体はそこまで古くはありません。
もちろん同趣旨の活動自体は、もっと以前からあったでしょうが、元となる法律である"特定非営利活動法(NPO法)"が成立したのは、1998年3月であり、その施行は同年12月からです。



まだ20年と少しの歴史というわけなんです。



ちなみにNPO法成立の切っ掛けとなったのは、1995年の阪神淡路大震災と言われています。
日本の市民運動史上では、同年を"ボランティア元年"と呼ぶこともー

その後のナホトカ号重油流出事故(1997年1月)でもボランティア活動がクローズアップされ、当時のボランティア団体(任意団体)の立場を強化すべきという声が高まっていったそうです。

また、法律の施行後も、東日本大震災後にNPO法が大幅改正される等、今でもボランティア活動と密接な関係があるのは確かです。

結果、世間一般的には、『NPO法人=ボランティア活動』という認識が深まっていくことになったのでしょう。



ただし、確かにそれらの関係性は深いものの、決してイコールではありません。
あくまでボランティア団体もNPO法人に含まれるだけの話なのです。
もちろん、ボランティア団体ではないNPO法人も当然に存在します(むしろそっちの方が多いのではないでしょうか?)。



NPOとは"Non Profit Organization"の略語です。
英語はだいぶ苦手ですが、これを日本語訳すると、"非営利組織"となります。
いわゆる、営利を目的としない市民の活動がNPOであり、それに法人格を持たせたものがNPO法人というわけなんです。


ですので、必ずしもボランティア活動でなくとも、非営利を目的とするものであれば、NPOになり得るという結論を導き出すことができるのです。



  • ボランティア以外の非営利活動?
  • そもそも非営利活動って??




おそらく次にくる疑問はこの辺りでしょう。
次項でそれらを紐解いていきましょう―




2.NPO法人で言うところの非営利とは?

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そもそも"非営利"という表現を用いた事自体が誤りだったのかもしれません。
分かりにくいですもんね実際。


ちなみに、ここで言う"非営利"とは、"利益を分配してはならない"という趣旨のものです。
活動の結果、生じた利益を関係者(構成員)に分配してはならないー


つまり本来的には "非分配" という意味
なのです。


ようするにNPO法人は営利を求めることができます。
儲けてもいいんです。
活動がボランティアに限定されるわけでもありません。

ただ単に非分配の制限(儲けたお金を分け合ってはいけない)があるだけなのです。


  • NPO法人の活動はすべて無償!



それは明らかな間違いというわけですね。
もちろん、ボランティア活動等、無償の活動も存在しますが、それがすべてというわけではありません。


NPO法人でも、適正な報酬を得て活動している団体も多く存在します。
スタッフに給与を支払うためには利益が必要ですから。
もちろん、運営者自身の生活もあることでしょう。
人が活動するには少なからずお金が必要なのは自明の理です。
そしてそれらは儲けたお金というわけではなく、人件費を含んだ必要経費に当たるわけです


このように、必ずしもNPO法人は完全無償の団体というわけではありません。




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では、そもそも"利益を分配してはならない"とはどういう状況なのでしょうか?



株式会社(特に上場会社)と株主の関係に置き換えてみるとイメージし易いかと思われます。
株式会社は利益を追求する法人の代表格と言っていいでしょうから―


株主は株式会社に投資(株の購入)し、その見返り(配当)を求めます。
株式会社は、株主からより多くの事業資金を得るため、業績を伸ばし、多くの利益を得ようとします。
ちょっと言い方が悪いかもしれませんが、互いに利益を追求し合う関係(儲け合う関係)なわけです。

こうした法人を、"営利法人"と言います。
そして終局的な目的は、利益の分配(会社⇒株主)です。
儲けた分を株主に還元するわけですね。



対して、非営利法人たるNPO法人はというとー


利益を上げてもいいですし、役員報酬や従業員の給与を支払うのも自由です。
この辺は株式会社と相違ありません。
ただし、記述のとおり"非分配"の制限(儲けたお金を分け合ってはいけない)があります。


では、そうした分配できない利益(儲けたお金)はどこにいくのか?


少なくとも誰かの懐に入ったりはしません。

例えば来期のために繰り越すこともあるでしょう。
次の事業に再配分する趣旨ですね。

もしくは目的達成のために再投資することもあるでしょう。


基本的に、NPO法人の目的は"地域社会の発展"です。
儲けたお金は関係者(構成員)で分け合うのではなく、地域社会を発展させるための事業資金にしなさいという趣旨なのです。

まあ、当然と言えば当然ですよね。




3.NPO法人の主たる活動内容

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例えば一般的な内容の不動産会社をNPO法人化したいという要望があったとします。
できるできないかで言うと、まず無理でしょうー


NPO法人を設立するには、その主たる活動内容が法律の要件を満たしている必要があるからです。


そもそも、一般的な内容の不動産会社が地域社会の発展に繋がるのか?という話もあります(決して不動産会社を悪く言っているわけではありませんよ。)。
具体的には、以下の20分野の非営利活動のいずれかに該当する必要があります。



<20分野の非営利活動>

  • 1.保健、医療又は福祉の増進を図る活動
  • 2.社会教育の推進を図る活動
  • 3.まちづくりの推進を図る活動
  • 4.観光の振興を図る活動
  • 5.農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
  • 6.学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  • 7.環境の保全を図る活動
  • 8.災害救援活動
  • 9.地域安全活動
  • 10.人権の擁護又は平和の推進を図る活動
  • 11.国際協力の活動
  • 12.男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
  • 13.子どもの健全育成を図る活動
  • 14.情報化社会の発展を図る活動
  • 16.科学技術の振興を図る活動
  • 17.経済活動の活性化を図る活動
  • 18.職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
  • 19.消費者の保護を図る活動
  • 20.前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
  • 21.前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動




意外と多いですし、幅広いです。


ここでより具体的にイメージできるよう例を挙げてみますとー

1に該当するものとしては、最近では介護タクシーを経営するNPO法人などが増えてきた印象があります。
6の例としては、サッカーなどのスポーツ教室を経営するNPO法人などです。

その他、学童保育を運営するNPO法人、被災地等でのボランティア活動を行うNPO法人、まちおこし開催を請け負うNPO法人、カルチャースクールを運営するNPO法人、外国人留学生支援のNPO法人等々、それこそ色々と考えられます。

ある意味、限定はされているものの、地域社会の発展という一線を越えなければ、多種多様なNPO法人を設立することが可能となるのです。



とは言えー

行おうとしている活動が上記のどれにあたるかよく分からない...
地域社会の発展を目的にはしているが、一見して該当するものがないように思える...



そのような悩むあるかもしれません。
意外とどれに該当するのかの判断は難しい部分がありますから。

また、20分野の非営利活動に該当しないようでも、対象となる活動の結果が地域社会の発展に繋がるのであれば、NPO法人として認められるケースもあったりします。

すぐに諦めるのではなく、担当部署や専門家に相談し、うまく要件に当てはめていくことも大切なわけです。




4.まとめ

NPO法人の触り部分について簡単にまとめてみました。
皆さんはどのような感想を持たれたでしょうかー

次回は構成員や、実際にNPO法人を設立するにあたってのタイムスケジュール等、もっと具体的な部分についての記事内容をお送りする予定です。

おそらく今回よりも複雑な内容になってしまうような気はしますが、なるべく分かり易く説明していくつもりですので、そちらも是非ご覧になってみてください。


それでは今回はこの辺で。

write by 司法書士尾形壮一