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会社・法人登記

『実質的支配者となるべき者の申告書』とは?

いつもお読みいただきありがとうございます。


先日、はじめて鍼灸整骨院なるものに行ってきました。
僕は日頃からなにかと運動をする方なので肩こりなんかで悩むことは少なくなったのですが、スポーツ後の身体のケア自体を怠っているため、下半身の筋肉などはもうガチガチ...


このままでは駄目だと、大きな怪我をする前にチャレンジしてみました。


結果、だいぶ身体が軽くなったような気がします―


今回はあまり時間がなかったため利用できていませんが、マッサージや電気治療の他に針や酸素カプセルなんかもあるそう。
そのうち体験談をお知らせしますね。

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ちなみに下記の鍼灸整骨院が今回知人の紹介で伺ったところです。
安くて使いやすいなというのが率直な感想です。


一生懸命に働くおじさんや、スポーツにいそしむおじさんには(もちろん女性にも)もってこいかもしれません、


興味ある方は是非。



「四谷駅前治療院HP」
https://yotsuya-chiryoin.com/




さて、そろそろ本題へ...

今回は公証役場で新たにはじまった定款認証制度のお話です。
今後、株式会社などを新規に設立される予定のある方にとっては、タイムリーな話題となっていますので該当される方は是非ご覧ください。



目 次



1.公証役場で新たな定款認証制度がはじまりました

平成30年11月30日付の改正をもって、会社設立時に公証役場へ提出しなければならない書類が追加されました。


結構、直近の話なのです。


かく言う僕も、新規株式会社の設立案件を進めている過程で公証役場の事務の方からその旨の通知を受け、はじめて知ったような感じです。

おそらく、まだまだ世間でも周知されていないでしょうから、この機会に当ブログで取り上げてみたいと思います。



1-1.どういった書類が追加され、何が変わったのか?

端的に言うと、今回の変更の結果、公証役場での定款認証時に"実質的支配者になるべき者"の届出が必要になりました。


なんだ、それ??


と、言うのが大半の反応でしょう―



具体的には次のような書面を提出することになります。
(細かい項目等の詳細は当ブログの後半部分で紹介致します。)


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※日本公証人連合会HPより出典



たったこれだけなんです。
その他に大きな変更点もありません。


ただし、なにぶんこれが分かりにくい―


一見しただけでは誰が押印すべきなのか、誰の情報を記載すべきなのか、新規設立会社の内容によっては判断に迷いそうな気もします。


そのため、制度趣旨も含め、適宜、詳細を検証していくことにしましょう。




1-2.なぜ『実質的支配者となるべき者の申告書』が要求されるようになったのか?

一言で表現するならば"世界的な時代の流れ"と言ったところところでしょう。

公証役場からの案内では次のような表現がされています。


この改正は、法人の実質的支配者を把握することなどにより、法人の透明性を高め、暴力団員及び国際テロリスト(以下「暴力団員等」という。)による法人の不正使用(マネーロンダリング、テロ資金供与等)を抑止することが国内外から求められていることを踏まえての措置ですので、ご協力をお願いします。



銀行等での送金時などにも似たような書類を提出した記憶がありませんか?


趣旨はそれと同様です。


不正な目的で設立した会社ではないということを書類に残しておくものであり、その情報を基に暴力団等ではないということをデータベースにてチェックするものでもあります。
(仮にチェックの結果、暴力団等に該当すると手続の頓挫または停滞が予想されるので、なるべく早めに『実質的支配者となるべき者の申告書』を提出しておいた方がいいかもしれませんね。)


尚、その旨はできあがった会社の定款にも明記されることになるそうです。


具体的には―


「嘱託人は、『実質的支配者となるべき者である○○○○は暴力団員等に該当しない。』旨申告した。」



旨の文言が既存定款の内容に付加されることになります。


まだその現物は見られていませんが、近く或る会社の定款が完成する予定ですので、改めて齟齬がないか確認しておきます。


1-3.どのような会社が対象となるのか?

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この判断は簡単です。


単純に公証役場で定款認証が必要となる会社です。


代表的なとことで言うと―


  • 株式会社
  • 一般社団法人
  • 一般財団法人



今後、設立されるこれらの会社は、我々専門家が行う電子認証手続だけではなく、個人の方が独力で行う書面認証手続などもその対象となります。



では、合同会社は??


もちろん合同会社にも定款はあります。

しかし、合同会社の定款は、公証役場での定款認証手続を要しません。


そのため、あくまで現時点では『実質的支配者となるべき者の申告書』等を要求されるような規定はないのです。


おそらく今後は、その設立手続に関与するであろう、我々司法書士が独自にその役割を担うようになっていくことが考えられます。


ただし、現行においても既に暴力団等からの委任を受けることは当然に禁じられていますので、特に何が変わるという程のものでもないようには思えます。


その辺につきましては、新たな動きがあれば追ってご紹介させていただきます。



1-4.実質的支配者の基準は?

中身についても少し触れておくことにします。


元より"実質的支配者"とは何か?


次のように規定されています―


① 設立する会社の議決権の総数の50%を超える議決権を直接又は間接に有する自然人となるべき者(この者が当該会社の事業経営を実質的に支配する意思又は能力がないことが明らかな場合を除く。)
※犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則(以下「犯収法施行規則」という。)11条2項1号参照

② ①に該当する者がいない場合は、設立する会社の議決権の総数の25%を超える議決権を直接又は間接に有する自然人となるべき者(この者が当該会社の事業経営を実質的に支配する意思又は能力がないことが明らかな場合又は他の者が設立する会社の議決権の総数の50%を超える議決権を直接又は間接に有する場合を除く。)
※犯収法施行規則11条2項1号参照

③ ①及び
のいずれにも該当する者がいない場合は、出資、融資、取引その他の関係を通じて、設立する会社の事業活動に支配的な影響力を有する自然人となるべき者
※犯収法施行規則11条2項2号参照

④ ①、②及び③のいずれにも該当する者がいない場合は、設立する会社を代表し、その業務を執行する自然人となるべき者
※犯収法施行規則11条2項4号参照



まあ、なんともわかりにくいですよね。

ただし、ほとんどすべてが①に該当する会社だと思います。

1人出資の1人代表の会社なんかは、当然①です。
あまりないでしょうが、4人で25%ずつの会社の議決権を持つような場合には、それぞれについて『実質的支配者となるべき者の申告書』が必要となるという趣旨が②です。

③、④については、そうそう当てはまる会社は少ないでしょうから、適宜、判断する形でいいと思います。

よく読み、しっかり判断すると言うことですね。
(法人が議決権を持つ会社の場合がめんどうそうですが、該当するような会社はそんなに多くないですから問題になることも少ないでしょう。)


ともあれ、実際に会社を動かす権限を持つ者は誰なのか?


それを明らかにする趣旨なのです―



1-5.嘱託人とは誰を指す?

実際の手続で僕自身がかなり迷った点です。


"実質的支配者になるべき者の申告書""嘱託人"がその住所と氏名を記載し、押印することになっています。



本来、嘱託人とは、公証人に手続を依頼する者を指します。

と、すれば、それは発起人(出資者)ということになるのでしょう。
(少なくとも僕はそう考えていました。)


司法書士は嘱託人から委任を受けた代理人です。
嘱託人そのものではないだろうと―


結果、事情を説明し、会社設立の依頼者に印鑑を貰おうと思っていましたが、念のため公証役場に確認してみたところ...



『公証人の眼前で嘱託をする人、いわゆる司法書士が代理人となって定款認証の嘱託をする場合には、当該司法書士が嘱託人になります。』



との返答がありました。
(すべての公証役場がそうであるかどうかは今のところ不明です。ただし、まず手続を代理する司法書士の印鑑で問題ないものと思われます。)


まあ、ようは僕の勘違いだったわけです。


依頼者に余計な手間をかけずに済んで良かったですが、なんとも分かりにくいな...と、いうのが率直な感想です。



1-6.どのタイミングで提出すべき?その他、注意点等

"実質的支配者になるべき者の申告書"は、なるべく早めに公証役場に提出した方がよさそうです。


ただし、新設会社の概要もできていないうちから提出するのもあれですので、実際は定款の案文を公証役場に提出する際に併せて提出することになるでしょうし、事実、公証役場もそれを推奨しているようです。


僕なんかは案件の受任時に依頼者に趣旨を説明して印鑑をもらっておく気でいますが...



その他の注意点としては―


実質的支配者となるべき者の本人特定事項等としての、"氏名のよみ"が重要だそうです。

面倒なのでついつい勝手に省略しがちな"氏名のよみ"ですが、これが入力(電子認証の場合)されていないと、自動却下になってしまうそう―


単にやり直せばいいだけの話かもしれませんが、急ぎの設立案件などは要注意ですね。


ご注意を。



尚、より詳しく知りたいという方は、以下のHPもご確認ください。



「日本公証人連合会HP」
http://www.koshonin.gr.jp/news/nikkoren/20181130.html



2.まとめ

会社の設立手続に関与していない一般の方にとっては、かなりマニアックな内容になってしまいました。
自身への備忘録も兼ねた意味合いもあったため、その点はご了承ください。


ただ、以前とは異なり誰でも会社の設立がしやすくなった昨今、全く無駄な情報というわけでもないかもしれませんよ。


機会があればご活用ください。


尚、詳細は明らかではありませんが、来年3月からはビデオ通話による定款認証手続を実施する計画もあるそうです。



ビデオ通話??

Skype??



詳細が判明次第、追ってお知らせ致します。


それではこの辺で。

write by 司法書士尾形壮一