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よくあるご質問

債務整理

個人再生を行う上で重要な可処分所得とは?

個人再生を行う上での可処分所得とは、収入から税金等を差し引き(簡単に言うと手取給与です。)、また、更にその金額から「本人と扶養家族が最低限の生活を維持するために必要な1年分の費用」(最低生活費と言います。)を控除したものを指します。

個人再生を行う上での可処分所得が重要な理由

なぜこれが個人再生手続で重要になるかというと、その内の一つである給与所得者等再生手続において、支払金額の基準となるためです。具体的には、給与所得者等再生は、『最低弁済基準額と可処分所得の2年以上(可処分所得の2倍という趣旨です。)を比べ、そのいずれか大きい金額』を支払う必要があります。

まず、最低弁済額基準とは、民事再生法で定められた最低限支払わなければならない金額であり、もう一つの個人再生手続である小規模個人再生の支払い基準額となるものです(ご興味あるかたは、『小規模個人再生を行うと借金額はどのぐらい減額されるのか?』をご参照ください)。

つまり、給与所得者等再生においては、この『可処分所得』が大きくなればなるほど、債権者に対する支払金額がUPするというわけです。

可処分所得の計算方法

続いて可処分所得の計算方法についてですが、既述のとおり『収入-(税金+社会保険料+最低生活費)』によって算定されますが、特に最低生活費の算定がなかなかどうして面倒です。具体的には次の5つの額を算出する必要があり、それを合計したものが最低生活費となります。

  1. 個人別生活費の額
  2. 世帯別生活費の額
  3. 冬季特別生活費の額
  4. 住居費の額
  5. 勤労必要経費の額

尚、これらの金額は政令(詳しくは、『民事再生法第二百四十一条第三項の額を定める政令』をご参照ください。)によって定められており、一見難しそうには見えますが、ご自身の居住区分や場所、家族構成に応じて選択していくだけです。

また、居住地域は第1区から6区までとなっており、川口市であれば第1区に蕨市や戸田市であれば第2区に該当することがわかると思います。都市であればあるほど、年齢でいうと14~15歳と高齢者がとくに高くなっています。それぞれ当てはめてみて下さい(当然ながらご依頼いただければこれらの面倒な手続は司法書士が行いますのでご安心下さい。)。

その他、転職等がある場合などは別に注意が必要です。給与所得者等再生は最低弁済額を決めるためには、過去2年分の源泉徴収票から所得を計算することになります。そこで、その間に転職があった場合など収入に増減があると、最低返済額が適した額ではなくなってしまう恐れがあります。

基準としては、2年間の年収を比較し、「5分の1以上」の増減があるか否かです。仮にそれがある場合は、増減が起きた時点からの月収をもとに年収を計算した上で、諸々の計算を行っていくこととなります。

なお、給与所得者等再生には小規模個人再生にはない『可処分取得』というものを加味します。詳しくは、給与所得者等再生手続とはをご参照ください。

可処分所得のメリット

このように小規模個人再生に比べると煩雑な部分が多く、また、それに基づく支払金額も大きくなってしまう給与所得者等再生手続ではあります。

しかしその反面、大きなメリットもあります(ご興味あるかたは、「給与所得者等再生手続とは」をご参照ください)。状況に応じて適切な手続を行うことが何より重要となるわけです。