よくあるご質問

成年後見制度申立
Q

家庭裁判所への後見や保佐の申立は誰が行えばいいのでしょうか?誰でもいいのか、それとも決まりがあるのか教えてください。

A

まずは先に結論をお伝えします。

後見や保佐の申立ては誰からでもできるわけではなく、申立人(家庭裁判所へ申立を行う者)になれる資格がある者は予め法律で定められています。



具体的には次に当てはまる者等が後見や保佐の申立人になる資格を有しているわけです。

  • 本人
  • 配偶者
  • 4親等内の親族
  • 検察官
  • 任意後見人
  • 市町村長


いわゆるいくら親しい間柄であっても、上記に当てはまらない限りは申立人になれないのです。


尚、上記の内、検察官はかなり特殊ケースですし、任意後見人は任意後見契約に不随するものなので、ここでの説明を割愛させていただきます。


・後見や保佐の申立人になれる4親等内の親族とは?

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本人については色々論議もありますので後で説明します。
配偶者は特に説明の必要もないでしょう。


では、4親等内の親族とは具体的に誰なのでしょう?

法律用語ですのでちょっと分かりにくいかもしれませんね。


4親等内の親族とは、両親・子供・孫・ひ孫・兄弟姉妹・叔父、叔母・従妹・甥、姪などを指します。


ちなみに1親等が最も本人と関係が近く、その次が2親等、その次が3親等と言った感じに続いていきます。

ちょっと本題からは逸れてしまいますが、民法上における親族とは、6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族を指します。

※血族(けつぞく)とは、血縁関係にある者を指し、姻族(いんぞく)とは、配偶者側の血族を指すと思っていただけると分かり易いです。


・誰が何親等?

数え方があります。

僕なんかは"いったん同一の始祖まで遡って考える"と覚えてましたが、どうでしょう?言葉にすると分かりにくいですよね...

ともあれ次のような感じになります。

  • 1親等 ⇒ 両親、子供
  • 2親等 ⇒ 兄弟姉妹、祖父母、孫
  • 3親等 ⇒ ひ孫、叔父、叔母
  • 4親等 ⇒ 従妹、甥姪


自分を起点に上か下に動けば1親等、兄弟等、そこから横に動けば更に1親等といった感じですかね...
ちなみに配偶者に~親等と言う概念はありません。

なにせ血が繋がってませんから通常。

あくまで親等は血族間での話なのです。


・市町村長が後見や保佐の申立人になることもあります

4親等内の親族等、身寄りが誰もいない方も、いたとしても疎遠だったり他に問題があるため適切な申立者がいないような場合もあります。

そのような場合だと、本人の住所地の市町村長が後見や保佐の申立てを行うことができます。


ただし、勘違いをしてはいけません。

手続が面倒だから市町村長にやってもらおう!と、言うわけでは決してありません。
当然、親族の有無を調査した上で、成年後見制度を利用することが適切であると判断された場合に、特別に市町村長申し立てを行うことができるのです。

当然、それにかかる費用は税金です―


通常時は原則通り4親等内の親族が申立を行うことを予定ください。


尚、当事務所がある川口市では、身寄りのない、もしくはそれに近しい状態の65歳以上の高齢者の場合等は長寿支援課などがその手続を行っています。



・後見や保佐は本人からの申立も可能

既述のとおり認められています。
民法の条文上はそれができるのです―


でも不思議に思えませんか?

本来、認知症等で意思能力が欠けるため後見や保佐の申立を行うわけです。

にも関わらず後見等の本人申立を行う?
できるの??

おそらくそう思われる方も多いでしょう。


非常に難しい問題だと思います。
法律上、『できる』とされているだけで、明確な指標のようなものがありませんから―


個人的には親族等がいない、もしくはいても適切な人物がいない等の致し方ない状況下で、かつ、矛盾してしまうかもしれませんが、本人が申立内容を把握できる時に限るべきだと考えています。
もちろん、その上で主治医や介護担当者にもよくヒアリングしつつ、その意見を聞くべきです。

ですので、例えば寝たきりの状態や認知症の症状がかなり進んでしまっている場合(全く話もできないような場合)は、後見や保佐等の本人申立はそぐわないと思慮しています。


尚、実際に後見や保佐を本人申立によって行った事例は全国的にも多くあるそうです。
僕自身も、保佐ですが近く予定しているぐらいです―


後見や保佐の本人申立を検討される場合は、その点、ご注意を。

回答者

尾形壮一